私たちは自分自身のことならよくわかっていると思っています。
好きなモノ、嫌いなモノ、自信のあること、苦手なこと、など自分のことなんだから知ってるに決まっている、と思っているかもしれません。
でも、私たちの見えていない部分やまだ知らない部分が実はあるのです。
そしてそれらを軽視していると、自分の判断や行動によって嫌な思いをしてストレスを感じてしまい、どうしてそうなってしまうのかわからず、さらに混乱してしまうのです。
つまり、「本当の自分」と自分の思う「自分像」にズレがあり、その結果、「自分像」を基にした行動が「本当の自分」を苦しめてしまうことになるのです。
例えば、周りに嫌われたくないので誘われたら断らないようにしているけど、本当の自分は人が大勢いるところは苦手なのでできれば行きたくない。
その結果、無理して笑って気疲れしてへとへとになってしまい、次誘われたらどうしようとビクビクしている。
こういうようなことが続くと精神的にまいってしまいます。
さらに、毎日起こる物事の中には私たちではコントロールできないことがたくさん起きています。
それらの物事に私たちは注意を向けてしまいがちです。
特に私たちにマイナスになるような出来事には。
どうしようもできないのですが、自分の状況を良くするためにどうにかできないかとそちらに集中してしまうのです。
でもやっぱりどうしようもできません。
でもまだできることはあります。
それはその状況を変えようとするのではなく、その事態の受け止め方、自分自身の気持ちや行動を変えてコントロールすることです。
「本当の自分」と「自分像」のズレを少なくするため、コントロールできる自分の中に目を向けるためには、自分を深く知り客観的に物事をみることが効果的です。
つまり、それらが自己認識を高めることの大切さです。
自己認識とは、自分の性格や価値観、物事に対する考え、強み、弱み、信じているもの、動機になるもの、どんな時にどんな気持ちになるのか、それはなぜか、などなど、自分という人間への理解度のことです。
自分を知ることは大切なのですが、忙しい毎日の中でそれらを振り返ることはほとんどしないのではないでしょうか。
知っていると思っているのでわざわざそんなことする必要もないと考えるかもしれません。
でも、冒頭でも書いたように、実は知らないところは結構あり、意識しないといつまでもわからないまま放置され、それが私たちの精神面を攻撃してくる可能性も大いにあります。
自分のことをより深く知ることで冷静に物事をみて自分の気持ちをコントロールすることができ、ストレスに強くなれます。
これこそ「自分探し」です。
しかも今その場でできます。
やってみましょう。
では、どうすればいいのか見ていきましょう。
◎人の自分に対する意見を聞く。
「ジョハリの窓」というモデルを聞いたことがあるでしょうか?
アメリカの心理学者、ジョセフ・ルフトとハリー・インガムによって、提唱されたモデルで、自己認識を高めるため、信頼度のある人間関係を築くためなどのツールとして使われています。
それによると、自分に対する知識は4つの部分から構成されています。
「開放の窓=自分も他人も知っている自分」「盲点の窓=自分は知らないが他人は知っている自分」「秘密の窓=他人は知らないが自分は知っている自分」「未知の窓=自分も他人も知らない自分」の4つがあり、その中で自分の知っている部分を大きくすることで自己認識が高まります。
まず盲点の窓、他人があなたの知っている部分を広げていきましょう。
その為に、周りの人たちの話を素直に聞くことが大切です。
「○○は優しいところあるよね」「○○って正直で嘘つけないね」「○○の先延ばしするところ直した方がいいんじゃない?」「○○は短気だね」などなど、友人や家族のあなたに対する意見に素直に耳を傾けてみてください。
良いところも出てくると思いますが、もちろん受け入れたくないマイナスなことも言われる時もあるかもしれません。
でも、人間は完璧ではありません。
良いところばかりではないし、自分では無意識で行動していて気付いていない傾向があります。
納得ができないのなら他の人たちにも聞いてみてもいいかもしれません。
素直に聞いて受け止めて自分を知ることが、本当の自分とのズレを少なくしていくのです。
◎自分自身に質問する。
自分とはどんな人間か、を振り返ろと言われても、どうしたらいいかわからないという人もいると思います。
そんな時は次のような質問をあなた自身にしてください。
「今あなたに不安や悩みはありますか?」
「あなたにとって人と関わる上で一番大切なことは何ですか?」
「あなたは今後どんな人間になりたいですか?このまま変わらずにいたいですか?」
「今のあなたの生活の中で一番楽しいと思うことは何ですか?」
「どんなことが起きるとあなたは嫌な気持ちになりますか?」
「家族、恋愛、仕事、お金、あなた自身、この中であなたにとって一番大切なモノは何ですか?またどんな順番をつけますか?」
「あなたのすごいところはどこですか?逆に人に見せたくないところは何ですか?」
など、あなたのことに関してどんどん質問してしっかり考え答えてみてください。
そうすると今まであまり意識していなかった部分が考えとして出てきて、あなたの行動や自信が変わってきます。
◎自分自身を振り返る時間をつくる。
毎日忙しくてわざわざそんな時間とってられない、と思うかもしれません。
でも、これはあなたの気持ちや考えを知り、整理して、明日からの行動をより良くしてくれるものです。
自分のための時間をつくって損はないです。
つくりましょう。
◎自分の変えたいところを見つけたらどうすればいいのか考える。
自分を知ることで不快に思う部分や恥ずかしいところ、嫌な思いをするかもしれません。
でもそういう気持ちになったとしても自分をよく知ることには価値があります。
あなたが嫌だと思うところを見つけたら逆にチャンスなんです。
その部分をどうすればいいのか、どうすれば自分を好きになれるのか、考えることができるからです。
こんな嫌なところがあったのか、と知ったとしても深く落ち込まないでください。
自己認識の課程では、あなたが友人や家族に優しくするように自分にも優しく(セルフ・コンパッション)対応してください。
良いところもあるんだから良くないところもある、今から変えればいいんだ、と。
自分を知ることは簡単そうですがそこまででもありません。
嫌なことは受け止めないといけないし、そのために時間も割かなければならない。
しかも一度だけやればいいわけではありません(1度やることに意義はめっちゃありますが)。
そんなに私たちの思考は単純ではないし、色々な経験で考え方や嗜好、価値観などは変わっていきます。
だから何度か意識してやってみて、その習慣を身につけることが大切です。
そうすることでわざわざ、とか大変だ、とか思わなくなるので。
まだ知らない自分を見つけてあなたの活力にしましょう。
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2 thoughts on “自己認識はなぜ大切?自分をよく知る方法とは?”