心の知能指数って何?どうすれば高められる?

心の知能指数(英語でエモーショナル・インテリジェンス・クオシェントEmotional Intelligence Quotientといい EQと略される)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

IQ(Intelligent Quotient)と言えば知能指数で、その数値が高ければ高いほど「頭が良い」といわれる一種のバロメーターで、その言葉はよく耳にすると思います。

IQが高いことは良いことですが、それだけでは成功が約束されたり幸福度が高くなるわけではありません。

それはなぜなのか、昔から多くの科学者たちが研究をしてきています。

その中で出てきたのがEQ、心の知能指数です。

EQとは自分自身の感情を把握して処理でき、周りの人たちの気持ちも汲み取り、自分や彼らがどうして特定の行動をとったのかをそれぞれの気持ちから理解できる力です。

EQの提唱者の中でも有名なダニエル・ゴールマンは、EQは怒りや自尊心のなさ、不安などマイナスな感情をプラスのものに切り替え、自信をつけたり人間関係を向上させる役割をしてくれるものだと述べています。

多くの研究でもこれらは証明されていて、EQが高い人たちは:

  • 学校での成績・職場での業績が良い
  • 周りの人たちの印象が良い(一緒にいて楽しい、共感してくれる、機転がきくなど)
  • ストレスになる物事に対しても落ち着いて対応できる
  • 効果的なストレス対処法をもっている
  • 周りの人たちを共通の目標に向かって団結させられる

などの傾向があるそうです。

ストレスに強くなり人間関係も向上、自分の人生を明るくするためにこれらは必要なことです。

そしてEQが高い方が低い人よりも自分の目標に達成しやすくなります。

EQを高めることで現状と未来が良くなるなら高めてやりましょう。

EQは生まれ持ったものではなく、やろうとする気持ちがあれば習得できるものなので。

では、どうすれば高められるでしょうか。

自己認識度を上げる。

自分の感情を把握するには、自分はどのような状況でどのような気持ちになるのか、そしてなぜそのような気持ちになるのか、を意識して分かることが必要です。

さらに、その時の自分の機嫌や雰囲気がどのように他の人たちに影響を与えるかを分かっていることも心の知能指数を高めるために大切なことです。

これらはつまり自分を知ること、自己認識度を上げることです。

自己認識度が高いと、状況を客観的にみることができ、ネガティブな気持ちを上手く切り替えれるようになります。

ただ感情を行動に出すのではなく、落ち着いて制御し、自分や周りの人たちができるだけ良い気持ちになるような行動をとろうとします。

逆にポジティブな気持ちに気付けば、それを目標に向かうモチベーションにできます。

もちろんこれは今日明日でできるような簡単なことではありません。

忍耐は必要ですが、日々意識することで必ずできるようになっていきます。

「自己認識はなぜ大切?自分をよく知る方法とは?」で具体的な方法を書いていますので参考にしてください。

思考より感情が先行することを知る。

少し脳の仕組みの話をします。

私たちが受ける外からの刺激・情報は脳に送られ、それらをもとに次どういう行動をすればいいのかを決めます。

外からの情報は脳の入り口である脳幹を隔て、大脳辺縁系という感情を生み出す場所を通って、その先にある、学習したり計画を立てたりといった思考を働かせる大脳新皮質に到達します。

新皮質は脳の進化的に他の部位と比べて新しい部位であること、感情を動かす部位に情報が通るのが先であることから、どうしても考えるより感情が先に出てしまうのです。

だから感情的になってしまうのは自然なことで、気持ちを抑え込もうとするとストレスがかかってしまいます。

この脳の仕組みから見ると、EQは私たちの次の行動を決める大脳辺縁系(感情)と大脳新皮質(思考)のやりとりがいかに上手くできるか、という指標だそうです。

このことを知っているだけでも、感情がこみ上げてきても少し落ち着いてみよう、まず考えてみよう、と一息おけるかもしれません。

感情的な行動と論理的な行動のリストを作る。

ひとつの物事に対して感情に動かされている反応と考えた結果の論理的な反応を一度書き出してみてください。

それらを見比べて、その状況、周りの人たち、あなた自身にとってどの反応や対応が最善なのか想像してみてください。

その判断はとっさにするべきものなのですが、普段そういう考えるクセをもっていないと中々できるものではありません。

だから、その準備をしておくこと、ストレスのかかるような状況や責任のある判断をする場面を想定してどうするのかを事前に考えることが、いざという時にうまく対応できることにつながります。

例えば、バスで隣に座っていた知らない人があなたのお気に入りの服にコーヒーをこぼしてしまいシミをつけてしまったとします。

あなたはまず感情的にどんな反応をしますか?(その人に向かって叫ぶ、相手をにらみつける、など。)

次に、どういった反応が論理的でしょうか?(相手が謝れば、起きてしまったことは仕方がないとあきらめる、クリーニング代だけは払ってもらうように丁寧に話す、など。)

感情的反応と論理的反応を書き出したら、どちらの対処法があなたと相手にとって最善の方法か考えてみて下さい。

ここで覚えておいてほしいのは、感情的になりすぎると解決方法を見つけることは難しいのですが、あまり論理的になりすぎて感情を無視することも後々のストレスになってしまいます。

あなたの感情がどうすればいいのかを教えてくれるときもあります。

感情と論理のバランスをとった上での行動をとることが大切です。

アクティブリスニングを練習する。

人の気持ちを汲むことは意識していないとできません。

そしてそれはその習慣がなければ簡単ではないし、気が張って疲れてしまうこともあります。

だけどそうすることで、相手が何を思っているのかをちゃんと理解しようという姿勢ができ、その結果、信頼できる人間関係を築くことができます。

そして周りに人が集まってきます。

ひとりが好きだから人は集まってこなくていいよ、と思う人もいるかもしれません。

が、それはそれは少し違います。

人は一人では生きていけません。精神的に。

誰かとの深い関係があるからこそ、ひとりでの時間を楽しめることができると私は思います。

話が少し逸れましたが、良い人間関係をつくる→人の気持ちを汲むためにできることは、アクティブリスニングというコミュニケーション方法が効果的です。

この方法は真剣に相手の話に耳を傾け、相手の目線に立って物事をみて相手がどのような気持ちなのかを想像し共感することです。

間違ってはいけないのは、この方法は相手が正しいと賛同することではありません。

相手が特定の物事に対してどう感じているのかをわかろうとすること、そして相手が聞いてくれていると感じることがこの方法の大切なところです。

そうすることで相手も正直な気持ちを話しやすくなり、あなた自身も相手にあなたの話をちゃんと聞いてもらいやすくなります。

お互いが真剣に相手のことを理解しようとすることで信頼関係ができやすくなる、ということです。

この実践方法は、「コミュニケーション能力を高める方法。パート2。~アクティブリスニングとは?~」に詳しく書いているので参考にしてください。

EQを高めることはあなたが自分の感情をコントロールし、物事にうまく対応できる力をつけることです。

感情は何かが起きれば自然にわいてくるものです。

それらの気持ちを思考の力と合わせて賢く使うことで心の知能指数は高められます。

EQを高めて日々のストレスを減らして心を軽くしましょう。

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