不安を和らげる5つのリラックス方法

不安な時、私たちの体は緊張していて固まってしまっています。

人の目を気にしない5つの方法」でも言ったように、心と体はつながっていて、硬くなった体をほぐすことで心の緊張もほぐすことができます。

ここで紹介するリラックス方法は練習すればするほど不安を和らげる効果があります。

忙しくてやってられない、と言う方もいると思います。

でも、不安な気持ちは私たちの生活を妨害します。

そうなる前に不安を和らげるテクニックを身につけましょう。

1.深呼吸 4・7・8

深呼吸はどこでも手軽にできるリラックス方法です。

まず、ゆったりとした楽な姿勢で座ってください(立ったままでもできます)。

次に、おなかの上に、両方の手のひらをかぶせるように優しく置いてください。

そして、鼻から空気を4秒間数えながらゆっくり吸い込みます。

この時に吸い込んだ空気でお腹がふくらんでいくのを感じます。

鼻から空気を吸い込んだらそこで7秒間息を止めます。

そして最後に口から8秒間かけて口から息を吐きます。

この時、口笛を吹くようなイメージで息を優しくゆっくり吐き出していきます。

そして、息を吐くと同時におなかのふくらみがなくなっていくことを感じましょう。

これを数回もしくは3~5分程続けます。

深呼吸は、寝る前に行うことで眠りに入りやすくなる効果もあるので、心が落ち着かず寝にくい方は一度試してみてください。

2.誘導イメージ法

このリラックス法は、あなたにとってポジティブで落ち着く場面を想像することで気持ちを和らげるものです。

不安な時に想像することはネガティブなことが多く、それがさらに不安を煽ってしまいます。

起こってもいないのに。

なので、逆に良い事や気持ちを落ち着かせる場所を想像して、リラックスしましょう。

まず、あなたが心地良いと思う場所を想像してください。

例えば、透き通った海が目の前に広がる真っ白な砂浜を歩くあなたの姿。

鳥の鳴き声が心地良く響き渡るマイナスイオンたっぷりの森林の中。

もしくは冬の寒い朝にベッドの中でふわふわの毛布にくるまれている。とか。

想像できたら、あなたの感覚全てを使ってその想像の世界を感じてください。

あなたの周りには何が見えますか?また、遠くには何がありますか?(視覚)

どんな音が聴こえますか?強い音ですか?それともかすかな今にも消えそうな音ですか?(聴覚)

あなたは何か食べたり飲んだりしていますか?もしそうならそれはどんな味ですか?(味覚)

あなたの体はどんな風に感じていますか?寒いですか?それとも暑いですか?(触覚)

どんなにおいがしますか?そこの空気の香りはどんなものですか?(嗅覚)

その心地良い場所をとことん想像してみてください。

3.プログレッシブ・マッスル・リラクゼーション(進行性筋弛緩リラクゼーション)

この方法は、緊張状態を自ら作り出してからリラックスすることで、リラックス状態がいかに心地良く緊張状態との差があるかに気付くものです。

この方法でリラックスすることで、不安な時、無意識に体がこわばっていることに気付き、そこで意図的に力を抜けるようになります。

やり方は、まずあなたの楽な姿勢で座る、もしくは寝転んでください。

次に、体の筋肉を順番にひとつずつ、力を入れて緊張させて約10秒間そのままの状態を保ち、その後一気にその力を抜きます。

その後、リラックス状態のまま約10~20秒過ごします。

そして、次の筋肉に移動します。

筋肉の順番は足の方から始め、頭の方に徐々に進んでいくイメージです。

どのように力を入れるかそれぞれの部位で簡単に説明します(↓)。

  • 足:力を入れてつま先を曲げる。
  • ふくらはぎ:膝から下の足を上げつま先をピンと前に出すように力を入れる。
  • 太もも:二つの太ももを押し合うようにして力を入れる。
  • おなか:おなかの中心にフンッと力を入れる。
  • 背中:肩甲骨を背中の中心に近づけるようにして力を入れる。
  • 肩:グーッと縮こませながら耳の方まで持ち上げる。
  • 腕:こぶしを作りその力を腕を通して肩まで送るようにする。
  • 手:またこぶしを作り指にも力を入れる。
  • 顔:顔のパーツを中心に持ってくるイメージで力を入れる。
  • 全身:最後に全身に力を入れる。

それぞれ全て約10秒間緊張させた後、ダランッと一気に力を抜きましょう。

このリラックス法は15~20分ほどでできるものです。

しかし、ひとつの筋肉を一瞬でも力を入れて抜くだけでも、自分の緊張に気付くのに私は効果があると思っています。

まとめて時間がとりづらい時は一瞬だけでもやってみてください。

4.マインドフルネス

マインドフルネスとは、五感をフルに使い、今行っている事に集中することです。

例えば、シャワーを浴びている時、シャワーヘッドから出てくる雫ひとつひとつが肌に当たる感覚がどのようなものなのか、お湯のあたたかさ、または水ならその冷たさはどういう風に感じられるのか、石鹸はどんな香りがするのか、など、その行動から得られるものを全て感じとるようにします。

そうすることで、過去や未来の嫌なことを不必要に考える時間が減り、気持ちを落ち着かせて感情をコントロールしやすくなります。

さらに詳しく知りたい方は「マインドフルネスって何?」へ。

5.体を動かす

運動と聞くと余計に疲れる、と思う方もいるでしょう。

確かに、体を動かすには体力がいります。

しかし、運動することによって、全身の血が巡り、筋肉もほぐされ、体のこわばりがなくなります。

今まで数多くの研究で、定期的な運動をしている人たちはうつや不安症になりにくいことも報告されています。

体を動かすと、私たちの脳では、鎮痛作用があるエンドルフィンというホルモンが分泌されます。

「幸せホルモン」とも呼ばれていて、私たちが笑ったり、美味しいご飯を食べたり、恋をしたりする時もこのエンドルフィンは分泌されるそうですよ。

つまり、その幸せホルモンを分泌させてくれる運動をすれば、不安な気持ちも軽くなるどころか楽しい気持ちにさせてくれるということです。

さらに、運動すると、思考や行動を制御する脳の前頭葉が活発になり、それによって、不安や緊張に反応する偏桃体をコントロールできる、つまり落ち着いてそれらに反応できるようになるともいわれています。

最初から長距離を走ったり、激しい運動をしなくて大丈夫です。

むしろやり過ぎると心も体も疲れてすぐにやめてしまうことになります。

少しの運動でも長く続けていく事の方が大切です。

あなたが続けてできそうだな、と思えるものを選んで、少しずつ始めてみてください。

不安を感じる事はおかしいことではなく、人間なら当たり前に起こる感情です。

しかし、不安をちゃんと対処できずにいると、ストレスがたまり精神的に辛くなってしまいます。

そうなる前に、リラックス法を習慣にして、自分で意識してリラックスできる心と体をつくっていきましょう。