良いストレスvs悪いストレス

「ストレス」と聞くと、ネガティブな経験を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

ストレスは悪いもの、心身の健康を脅かすもの、と思っている人もいるかもしれません。

しかし、ストレスには「ユーストレス」と呼ばれる「良い」ストレスもあります。

ユーストレスは、やる気を起こさせてくれたり、パフォーマンスを向上させてくれたり、人生をワクワクさせてくれたりします。

その一方で、想像した方もいるかもしれませんが、人に悪影響を及ぼすストレスは「悪い」ストレスであり、「ディストレス」と呼ばれます。

このユーストレスとディストレスという言葉は、ストレスという言葉を初めて医学の世界に取り入れた、ハンス・セリエによって説明されたものです。

彼は、”人を殺すのはストレスではなく、それに対する私たちの反応が自身を苦しめるのである “と言っています。

セリエの言葉が意味するストレスマネジメントの方法を探る前に、ユーストレスとディストレスの例を見てみましょう。

ユーストレスには

職場での昇進

新しい仕事を始める

新しい場所への引っ越し

結婚

人間関係・友人関係の構築

出産・育児

退職

目標を達成すること

などがあります。

ディストレスには、

大切な人を亡くした

離婚

失業

怪我・病気

人間関係・友人関係における葛藤

経済的な問題

法的な問題

などがあります。

なぜ、ある出来事がユーストレスと呼ばれ、ある出来事がディストレスに分類されるのか、おわかりいただけたでしょうか。

多かれ少なかれ、私たちは自分の行動や身の回りで起こるほとんどのことにストレスを感じています。

たとえそれが、仕事で昇進したような嬉しい出来事であったとしてもです。

嬉しいことではありますが、会社の要求に見合うだけのパフォーマンスを発揮できるかどうか、不安に感じることもあるでしょう。

そうすると、それなりのプレッシャーを感じてストレスになることがあります。

そんなときは、セリエの言葉を思い出してください。”ストレスが人を殺すのではなく、ストレスに対する反応が人を殺すのだ “と。

もし、それを脅威として受け止めたら、その出来事はストレスになりますが、もし、それを挑戦として受け止めたら、あなたはどう感じるでしょうか?

ストレスに対する反応を変えることで、その出来事をよりポジティブにとらえ、ただただそれに圧倒されることなく、なんとかしようという気持ちになることができるのです。

しかし、ストレスに感じる事をチャレンジだ、と常に捉えることは難しいと思います。先ほど例に挙げたようなディストレスは、ネガティブで脅威的なものです。

例えば、親友を亡くしたことをポジティブに捉えるのは非常に難しいというように、その出来事の捉え方を簡単に変えることはできない事も多い、と私は思います。

また、人はみんな違い、ある人がプラス(ユーストレス)と受け止めたストレスが、別の人にはマイナス(ディストレス)と受け止められることも大いにあります。

では、そんな見方を変えられないストレスを対処するには、どうしたらよいのでしょうか。

まず始めに、ストレスの緊張を解きほぐすアクテビティを見つける事をお勧めします。

何をしたら気持ちが晴れるのか、楽しい気持ちになれるのか、を考えてみましょう。

友達に自分の気持ちを聞いてもらうこと、好きな曲を聴くこと、おいしいものを食べること、好きなだけ寝ること、などなど。

何が自分を幸せにしてくれるのか、気持ちが安らぐのか、じっくり考えてみてください。

また、人は本能的に物事に意味を見出し、自分の気持ちを整理しようとするので、ストレスとなった出来事の意味が一体何なのか、を考えることも、心の緊張を和らげてくれるかもしれません。

また、ストレスには「避ける」「変える」「適応する」「受け入れる」という対処法があります(詳しくはブログ「ストレスマネジメント – 4つのA」で)。

ストレスを感じなくなったら、次は、ヘンスの言う、ストレスに感じる物事に対して心理的な態度を変えていきましょう。

あなたはその物事を脅威、もしくはチャレンジ、どちらとして受け止めていますか?

脅威だと感じていたら、それをチャレンジとしてとらえてみてください。

繰り返しになりますが、すべてのストレスがネガティブなわけではありません。自分が抱えているストレスがユーストレスなのかディストレスなのかを見極め、モチベーションやストレスをうまく対処するために役立たせましょう。

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