気分のムラが激しいのはなぜ?

さっきまで楽しいと感じていたのに、急にイライラしてきたり、悲しくなって涙が出てきたり、自分の気持ちにアップダウンを感じることはありませんか? そしてそれらがコントロールできなかったり、どうしてそれが起きるのか自分でもわからなかったりすると、さらに精神的に追い込まれることにもなります。 あなたにとって良いこと、嫌なことが混在する日々の生活の中では、気分にムラがあることは自然なことです。 色々な出来事に私たちの気持ちは影響を受けているのです。 ただし、あまりに極端に気持ちが変化したり、いつもと違った気分の浮き沈みで行動が振り回されている場合、生活や人との関わりにも悪影響がでてきます。 そういう時には、どうしていつも以上に気分にムラがあるのか、まずその理由を知ることが大切です。 理由を知ることで、それぞれに合ったやり方で対処していくことができます。 ◎ 生活の変化によるストレス 例えば引っ越しや転職、結婚や大切な人との別れなど、普段の生活に変化があると、多かれ少なかれストレスを感じます。 その変化がワクワクするものであっても不安に感じるものであっても、です。 新しい生活を始めることで、いつもと違う気を張ったり慣れないことが多く思い通りにいかなかったりと、精神的な負担がかかるものです。 新しいことに挑戦していこう、楽しみだ、と前向きに思う反面、上手くいくかな、失敗したらどうしよう、などの不安な気持ちがより顕著に出る生活が変わる場面では気分のムラが激しくなることが考えられます。 ◎ 慢性的なストレス 自分で感情をコントロールしようと思っていても、ストレスになる原因に上手く対処できていないと、やはりそれらによって感情は揺さぶられます。 ストレスがあるところに、さらにストレスを感じる事が起きたり、その状況が長い間続いたりすると、より気持ちは不安定になり、感情をコントロールすることはなおのこと難しくなります。 気持ちが明るくなることがあったとしても、ストレスの原因になるものを解決できずにいると、そのせいでまたイライラしたり不安になったり、気持ちの浮き沈みが起こるのは不思議ではありません。 ◎ 精神的な問題 躁うつ病やうつ病などの気分障害や、境界線パーソナリティ障害、アルコール・薬物依存症などの精神的な病気に、激しい気分の浮き沈みがみられることがあります。 躁うつ病の症状には、気分が異常に高揚している躁病エピソードと、反対に何に対してもやる気を失い気分が極度に落ち込むうつ病エピソードがあり、その気分のムラは非常に激しいです。 うつ病の症状に躁病エピソードはありませんが、持続的に落ち込んでいる状態の中で、昨日は少し気分が良かったのに今日は悲しくてベッドから出られない、などの気分の浮き沈みがあります。 境界線パーソナリティ障害は、環境の変化や人との離別を極端に恐れ、そうなるかもしれないと感じたたけで、人が変わったように相手に対する態度を変える特徴があります。 自分の思うように一緒にいてくれる人には、初めの頃は良く接するものの、その相手が十分に自分のことを思っていないと感じると、相手に突然怒りを向けるなどの激しい感情の変化がみられます。 アルコール・薬物依存症では、お酒や薬の影響で気分が激しく高揚したり、またそれらが手に入らない時に禁断症状で異常にイライラしたりどうしようもなく不安になったりと、気分のアップダウンが起こります。 ◎ ホルモンの変化 私たちの気持ちを揺さぶる原因はストレスや精神的な問題だけでなく、体の変化にもあります。 子どもから青年の体に成長していく思春期は、気持ちを前向きにしてくれるセロトニンというホルモンの分泌が他のどの年代よりも少ない時期だと言われています。 その為、イライラすることが多く、怒りっぽくなってしまいます。 女性の場合、エストロゲンという女性ホルモンの変化が起こる月経前や出産後、閉経後、更年期などの時期に気持ちの浮き沈みが起こりやすくなります。 エストロゲンは幸せホルモンのセロトニンの分泌を促す役割をしており、上記に挙げた時期はエストロゲンが減少する為、気持ちが落ち込みやすくなるのです。 男性の場合、アンドロポーズと呼ばれる男性更年期に男性ホルモンのテストステロンが減少することで、イライラや癇癪などを特徴とした気持ちの浮き沈みが起こります。 ◎ ダイエット(栄養不足) バランスの悪い食生活は私たちのメンタルヘルスにもマイナスの影響を与えてしまいます。 食べ物と精神面は関係ないだろう、とツッコンでいる方もいるかもしれません。 でも、食べ物が私たちの脳を動かす源であり、記憶力や認知力、そして感情のコントロールに関わっているのです。 そして、体をつくる上でも必要な栄養素はあり、それらが不足すると力がわいてこず、病気にさえなり得ます。 体の不調があるとそれはやはり精神的に辛くなる原因であり、気持ちも沈んでしまいます。 例えば、ダイエットなどで過度な糖質制限をして低血糖になってしまったら、血糖値を上げようとアドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。 そしてそれらが必要以上に分泌された場合、イライラしたり怒りっぽくなったりします。 ナショナル・カウンシル・フォー・メンタル・ウェルビーイングによると、亜鉛、鉄分、ビタミンB、マグネシウム、ビタミンD、オメガ3脂肪酸の栄養不足によって、不機嫌やエネルギー不足の原因になるそうです。 食生活が私たちの気分に影響することを知り、バランス良く食べるようにしましょう。 ◎ 寝不足 睡眠不足や睡眠の質が悪い日が続くと、私たちの気分はマイナスの影響を受けます。 それは、睡眠を適切にとることによって機能する前頭葉の働きが鈍くなってしまうことにあります。 前頭葉は、感情の処理を行う偏桃体を見張る役目をしていて、過度に感情的にならないように抑制をしています。 その前頭葉の働きが鈍くなってしまうと、偏桃体の抑制も鈍くなり、ストレスに対する感情の反応も強く出てしまうことになります。 そのため睡眠不足になると、感情的になりやすくなるのです。 気分にムラがあるのは様々な理由があります。 まずその理由を知って、できるだけその気分に振り回されないようにして余計なストレスを減らしましょう。

SNSはメンタルヘルスに良いのか悪いのか?

Facebook、Instagram、TikTok、Twitter この中で知っている言葉ひとつでもありましたか? 知ってて当たり前、と思われる方がほとんどだと思います。 そうです、これらは多くの人が利用している、もしくはしたことのある人気のソーシャルネットワーキングサービス、いわゆるSNSの名前ですよね。 SNSは誰かとコミュニケーションをとるツールとして今では世界中の人口の約半分の人たちが利用しています。 それはそれは便利で役に立つツールです。 世界中の人たちと一瞬で繋がれるし、遠く離れた家族や友人の様子がわかり、世の中で何が起きているのかすぐに把握でき、社会問題や自分が大切だと思うことを主張することができます。 誰かと繋がっていると感じられるし、辛い時は誰かのコメントで元気が出たりする。 企業なら自分たちの商品を低コストで大きく広める事も出来ます。 この時代、SNSは私たちの生活から切り離すことはできないと思います。 ただ、便利で楽しい面がある一方で、やはりマイナスな面もあります。 最近では私たちの精神的な健康に対する問題もよく言われています。 SNSを利用することと不安症とうつ病の症状は関連性がある、と多くの研究で報告されています。 海外に旅行で楽しんでいる写真、友人たちの仲良さそうな写真、恋人と幸せそうに寄り添っている写真など、あなたがいいな、と思うイメージを見ると、自分への物足りなささを実感してしまいます。 それらの写真が全て現実ではない、良いところだけを見せようとしているだけだとわかっていてもやはり「私はダメだな、みんなみたいに輝いてないな」などと自分に足りていないものに目をやってしまったりします。 その結果、落ち込んで自信をなくしたり、将来への不安をつのらせてもおかしくありません。 ネット上のいじめや誹謗中傷などもニュースでよく耳にするのではないでしょうか。 また、特に10代の若者に多いと言われていますが、SNSを常にチェックしていないと落ち着かない、とSNSに依存してしまうこともあります。 英語でFOMO(Fear Of Missing Out)、「取り残されることへの恐怖」ともいいますが、 友人たちがどんなことをしているのか、流行に乗り遅れていないだろうかという不安から常に人の投稿が気になってしまうのが、そのひとつの理由です。 もうひとつの理由として、自分の投稿したものに対して、「いいね」やリツイートなどの良い反応をみると、私たちの脳は幸せホルモンのドーパミンを分泌します。 そして、またその幸福感を得たくて、頻繁に投稿しようとそのことばかり考えてしまう。 その結果、やらなければいけないことを怠ったり、睡眠時間を削って物事に集中できなかったり、と毎日の生活に支障が出てきます。 SNSを利用することでいち早く役立つ情報を得ることができ私たちの人間関係も大きく広がります。 ただ、利用する際、どのようなマイナスな面があるのかを理解しておくことは、精神的に辛くならない為に大切なことです。 その上で、どのようなことに気をつければいいのかを具体的にみていきましょう。 ◎実際に人と会う時間をつくる・増やす。 SNSをして過ごしている時間の方が誰かと実際に会っている時間より多くなっていませんか? コロナの影響で今までは中々人と会い辛い期間が続いていましたが、感染症法上での位置づけが変わり、今後はまた以前のように気にせず人と会えます。 私たちは人と実際に会うことでオンライン上で交流するよりもはるかに多くの情報を得ることができます。 その情報は例えば非言語コミュニケーションで、相手の姿勢や手のしぐさ、細かい表情などから相手の言いたいことをより正確に感じ取ることができます。 その結果、コミュニケーションもスムーズになり、お互いの信頼関係も深まりやすくなります。 さらに、握手やハグなどのスキンシップは人間同士の絆を深める愛情ホルモンのオキシトシンの分泌を促します。 オキシトシンは不安な気持ちやストレスを軽減させてくれるホルモンでもあります。 実際に大切な人と会うことで、その関係性を深めるために、そして絆の強い関係を持っているありがたさとそれによる幸せな気持ちを感じるために、実際に人と会う時間を意識してみませんか。 ◎人と比べない。 誰かの「輝いている」投稿を見て、自分には足りないところを顕著に感じてしまう。 そして、自分はダメだと深みにハマっていってしまう。 人と比べる行為は自然なことですが、自分を蔑んでしまうのならその無意味な行為を止めましょう。 私たちはみんな違います。 比べることはできません。 だから無意味なんです。 物足りなさを感じるのならその正体は何なのか探ってみてください。 友達と楽しそうにしている投稿を見てため息が出るのなら、深い人間関係を欲しているのかもしれません。 ゴージャスな食事をしている写真を見て嫉妬心を感じるのなら、今の経済状況に不満があるのでしょう。 誰かの投稿と自分を比べて落ち込み続けるのではなく、その物足りなさを埋めるためにどうすれば良いのか考える方がいいと私は思います。 そうすることで、実際に行動し今の物足りない自分から抜け出すことができるのではないでしょうか。 ◎睡眠の質に気をつける。 睡眠の質は体の健康にはもちろん、心の健康にも深く関係しています。 寝る前にスマホを見てたらもうこんな時間、ということはよくあると思います。 SNSはその人の嗜好や興味のありそうなものを過去の履歴と紐づけて表示するので、エンドレスに見てしまい、止めることが難しい人も多いと思います。 でも寝る時間はちゃんと確保しましょう。Continue reading “SNSはメンタルヘルスに良いのか悪いのか?”

感謝することが大切なのはなぜ?

2022年も今日で終わり、ということで1年の終わりに振り返るという意味でも、「感謝」をトピックに書きたいと思います。 感謝することは当たり前にできていそうで実は意外と忘れがちです。 人に「ありがとう。」と言う事すらちゃんとできていない時ありませんか? 日々の生活が当たり前になっていて何に感謝をすればいいのかわからない、まだまだ自分には足りないものがたくさんあって今の状況に感謝することなんてない、と思う人もいるかもしれません。 しかし、感謝する時間をつくることは私たちにとって価値のあることなのです。 感謝することは、 ◎精神状態を良くしてくれる。 これは多くの研究でも報告されていることで、インディアナ大学で心理学を研究しているジョシュア・ブラウンとジョエル・ウォンの調査によると、感謝の手紙を書くことで不安症やうつなどの症状があった人たちの経過が、その手紙を書かなかったグループの人たちに比べて、格段に良くなったそうです。 しかも、その感謝の手紙を必ずしも相手に贈る必要はなく、感謝しているという気持ちの状態自体が、精神面に良い効果をもたらしてくれるのだそうです。 ◎幸福度を上げてくれる。 脳科学からの観点でも、数々の研究で、感謝することの利点が報告されています。 感謝することで、脳内でドーパミンとセロトニンという幸せホルモンと呼ばれるホルモンの分泌が促されるそうです。 ドーパミンとセロトニンのホルモンが分泌されることで、私たちにやる気や喜びなどの前向きな気持ちをわかせてくれます。 ◎体の調子を良くする。 感謝することは、体の健康の向上も助けると言われています。 カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の研究によると、感謝することが多い人ほど心臓の健康を良好に保っているそうです。 ストレスに強く思いやりのある社会をつくるため心理学を主に研究しそのスキルを広めているグレーター・グッド・サイエンス・センターの研究でも、オンラインで感謝日記(感謝することとその気持ちを書き出すこと)を2週間続けた参加者は頭痛、消化器系の問題、腹痛などの症状を含めた体調がいつもよりも良かったそうです。 他の研究者たちの調査でも同じような結果が多く報告されています。 ◎ 睡眠の質を上げてくれる。 イギリスのトリニティ・リーズ大学のアレックス・ウッドらの研究で、感謝する傾向のある人の方がそうでない人たちよりも睡眠の質が良いそうです。 特に寝る前に、感謝することを書き出すことで、眠りに入りやすくなるそうです。 確かに、モヤモヤと考え事をしていると中々寝れませんが、良い事を思い浮かべるといつの間にか気持ち良く眠りに入れますね。 ◎ 良い人間関係を築きやすくなる。 人は感謝されれば嬉しくなります。 自分の行為を理解されてることでも嬉しいし、さらにありがたく思われたら尚のこと嬉しいですよね。 だから、相手があなたに感謝の気持ちを表してくれたら、相手への印象は良くなると思います。 そして、私たちの多くは何かをされたら同じようにその相手に返そうとする心理があり(レシプロシティの法則)、あなたも相手の良いところを探して感謝しようとします。 その結果、お互いが敬意をもって良い関係を築こうとするのです。 このように、感謝することは私たちの心と体を良くする効果があり、さらに人間関係も良くしてくれます。 意識して感謝をすることは私たちにとって価値のあることだと思います。 では、どのように意識をして感謝をすればいいのでしょうか。 ◇ないものを考えている自分に気付く。 人は成長や向上を求める生き物です。 その為、目標を達成してもまた次の目標、欲しいものを得たらすぐに次の欲しいものに焦点を移していきます。 向上しようとすることは素晴らしいことですが、それによって自分の足りていないものに目が行くようになってしまうこともあります。 そうなると、いつまでも満たされることなく自分にも誰かにも今のその状況にも感謝はできません。 あなたに足りていないもの、ないものばかりを考えていませんか? そうだとしたら、見方を変えてください。 あなたが今持っているもの、できていることは何ですか? それらを探す時間をつくってください。 そして、何のおかげでそれらを持てているのか、できているのかを考えてみてください。 きっと感謝の気持ちが出てくるはずです。 ◇感謝日記/感謝レターを書く。 私たちの脳は私たちの行動や考えに影響を受け、それに合わせてつくられていきます。 そして、神経経路に刺激を与えるほどその行動は強化され自然に起こるようになる(習慣化される)という、ヘッブの法則というものがあります。 なので、感謝することを習慣化するためには、定期的に感謝しようとする時間を作ることが大切になってきます。 感謝することが習慣化されれば、その効果であなたの気持ちがポジティブになりやすくなり、心身ともに健康になれます。 その為にできることが感謝日記をつける(一日あった出来事で感謝できることを探して記録する)、もしくは誰かに対して(もちろん自分自身にでも)感謝の手紙を書く。 睡眠と感謝の関連性の研究で、眠る前に感謝の日記を書くとスッと眠りに入りやすくなるとありました。 文字に起こすことで、さらに脳に強くメッセージを送り、記憶にも残りやすくなります。 もちろん、書くのが苦手な人は頭の中で考えるだけでも効果は期待できると思います。 ◇人の良いところを探す。 私たちは良いことをされた時より嫌な思いをした時の方が強く反応してしまいます。 そして記憶にも嫌な思いをした経験の方が強く長く残ってしまいます。 その経験から初めての人に会ったり、誰かと関係を築こうとする時、裏切られて自分が傷つかないように身構えて、相手の本質をネガティブにみようとしてしまうことがあります。Continue reading “感謝することが大切なのはなぜ?”

睡眠の質を上げる方法。

人間は人生の約3分の1の時間を睡眠に使っていると言われています。 しかし、誰しもがその3分の1の時間を気持ち良く効率的に眠れているとは限りません。 寝たいのに寝れない、夜中に必ず起きてしまう、いっぱい寝てるのに常に眠たくて仕方ない、など睡眠に関する悩みは絶えません。 そういった睡眠問題が続くと、私たちの体や心に大きな負担がかかってきます。 身体面では、心臓や血管などにおける病気、糖尿病、高血圧などになるリスクが高まると報告されています。 精神面ではうつや不安症、ストレスの増加につながります。 2020年のSimon, Vallat, Rossi, Walkerさんらの研究では、睡眠が不十分だと自身の心の状態に気付きそれらを表現することも難しくなる一方で、物事に対して感情的になる傾向があるのだと発表されています。 さらに、2022年の研究では、睡眠不足になると人は利他的ではなくなる、つまり手助けを必要としている誰かがいても助けようとしない、とも報告されました。 それは、寝不足になると、思いやりの感情の形成に関わる脳の部分の元気がなくなりそれにまつわる行動を起こすモチベーションがなくなるからだそうです。 この研究を読んで、睡眠とはなんて大切なんだ!と改めて感じました。 人それぞれの考え方があると思いますが、自分では意識していないのに自分の優しい要素が減ってしまうのはなんか寂しいですね。 どうしてあの時あの人に手を貸してあげられなかったんだろう、とか感情的になって取り返しのつかない事をしてしまった、などと後悔してしまう事って、生きている中であると思います。 その原因が実は睡眠不足という可能性もあるのです。 このように、睡眠の質は、脳から私たちの心と体の健康に影響を与えます。 できるだけ気持ち良く毎日を過ごすために、睡眠の質はを上げることはとても大切です。 良い眠りを手に入れるためには、 ◎ 寝る時間と起きる時間を決める。 毎日ある程度決まった時間に寝て起きるようにしていると、体は1日のリズムを覚えます。 そうすることで、夜は寝やすく朝は起きやすくなり、寝れずにイライラゴロゴロしてる時間が減り、起きる時のストレスも減ります。 ◎ 運動する。 体を動かすことで、深部体温(内臓の働きを守るために一定に保たれている体内の温度)が上がり、それが通常の温度に下がってくると眠気がやってきます。 ジョンズ・ホプキンス大学の睡眠センターによると、定期的な運動を長く続けなくても、約30分、適度なレベルの有酸素運動を一度すれば、その日の睡眠にすでに効果が表れるそうです。 もちろん個人差があるので、絶対、とは言えませんが。 また、運動することは体力はもちろん、精神力も養ってくれます。 心配事や不安でこわばっている体をリラックスさせてくれます。 続けなくても効果はあると書きましたが、運動することで睡眠の質が良くなり、心身ともに元気にしてくれるなら、続けてみる価値はあるのではないでしょうか。 やってみたいと思ったら、あなたに負担がかからず続けられそうな運動を選ぶことをお勧めします。 ◎ 寝る環境をつくる。 あなたの寝室はあなたが心地良く寝れる環境ですか? 寝る環境として適しているか確認してみてください。 ・電気は明るすぎないか。明るすぎると体内時計がまだ昼間だと勘違いして体を起こしてしまいます。できるだけ暗くしてベッドに入ってください。 ・室温はちょうど良いか。 専門家らによると、深部体温を維持する(=眠りやすい温度)ために、室温18.3度前後がいいらしいです。 ・ジャマな音はなく静かな環境か。 ・ベッドや掛布団、シーツ、枕などは心地良いのか。 毎日の睡眠の質に関わってくることなので、あなたが心地良いと思うものを使いましょう。 そしてできれば定期的に洗ったり、太陽に当てて干したりしましょう。 ・スマホ・パソコンなどを直前まで操作していないか。 ブルーライトは眠気を起こすメラトニンというホルモンの分泌を抑制します。 メラトニンは人工の灯りでも抑制されますが、ブルーライトのその影響は特に強いのだそうです。 寝る前のスマホやパソコンいじりはできるだけやめておきましょう。 ◎ ストレッチ。 寝る前に体の筋肉をほぐすことで、リラックスし、眠りに入りやすくなります。 寝転んだ状態で、手を組んで腕を頭の上に伸ばし、足をかかと方向に伸ばして、う~ん!と背伸びをするだけでも体と心がほぐれます。 ◎ ノートに考え事を書きこむ。 悩み事や色々な考えがグルグル頭をまわっているときは、それらを書き出しましょう。 枕元にメモ帳やノートを置いておき、不安な思いや悩んでいることが頭に浮かんできて寝るのを妨げ始めたら、それに書き出してください。 書き終わったら、「明日考えよう。」と自分に言い、もう一度寝ようとしてください。 多少はスッキリしているはずです。 睡眠は私たちの心と体をつくります。 気持ち良く眠って気持ち良く毎日を過ごすために、あなたなりのできる事をやってみてください。

なりたい自分になる方法。パート3 ~脳の仕組み編~

私たちは年を重ねていくと脳の働きが衰え、若いころのように物事を学びそれを吸収することは難しくなると思っています。 でも朗報です。 新しい研究がそれを塗り替えました。 実は、年齢に関係なく私たちの脳は成長し、新しい技術や知識を取り込むことができるのです。 それは神経可塑性という、脳が経験によって変化適応し、成長し続ける能力のおかげです。 もちろん、若い時の脳の方が経験に敏感で反応も早いですが、脳を鍛えていれば、年齢が若い人たちよりも環境に柔軟に対応できるということです。 素晴らしい能力だと思いませんか。 脳の成長は20代やそこらで止まってしまうと思っていた私には目からうろこでした(笑)。 脳は新しい経験によって新しい神経の回路をつくり成長し続けるのです。 そしてその脳の適応力と再生能力のおかげで、考え方や行動を変えることができるのです。 もしあなたが今、物事を全てネガティブに捉えて悩まされていたり、ストレスに不健康な方法(例えば過剰飲酒や暴飲暴食、自分や他人を必要以上に責めるなど)で対応し、さらにストレスを抱えてしまっていても、それらを自覚し変えようとすれば、変わることができるのです。 私はもう年だから、私はこういう人間だから、私には悪いことしか起きないから、などの言い訳はもう通用しないってことです。 ただし、脳は刺激をもらわないとそのまま何も変わりません。 いい刺激を与えて再生能力を向上させましょう。 どういう事をすればその神経可塑性というものは向上されるのでしょうか。 ◎ 集中できること、新しいこと、挑戦できることをする。 これらの要素は脳に良い刺激を与えてくれます。 例えば、読書、新しい言語を学ぶ、楽器を習う、旅行する、絵を描く、音楽をつくる、などは神経可塑性を向上させてくれると言われています。 自分にとって新しいことや、少し難しいけどやりがいのあることは脳にも良く、私たちの気持ちも考え方もポジティブに変えてくれます。 ◎ 運動をする。 体を動かすことはどの研究を読んでも身体面、精神面にプラスの効果を与えてくれると報告されています。 運動すると、脳細胞の成長と回復を助ける神経栄養因子というたんぱく質の分泌が増えます。 そしてそれらが活発になれば、記憶力と学習力アップにつながり、認知力の低下を抑える効果があるそうです。 体を動かすとストレスによる緊張状態も緩和してくれ、すがすがしい気持ちにもなります。 定期的に運動をすることで、脳が元気になり体も心も強くなります。 運動が苦手なあなたもちょっとだけでも体を動かしてみませんか? ◎ 睡眠の質を上げる 神経細胞の先にある樹状突起は神経から神経に情報を送る大切な部分です。 それらは寝ることで強化されます。 その為、学習したものは睡眠をとることで私たちの記憶になっていくのです。 よく、寝る前に読んだものや勉強したことはよく覚えている、と言われますが、これもそのひとつの理由なのです。 なので、睡眠の質をあげることは大切です。 これは精神面にも大きく影響します。 睡眠不足、または睡眠過剰はうつ病や不安症などの心の問題を抱えている人たちによくみられます。 睡眠の質を上げて神経可塑性を向上させ、心のストレスも軽くしましょう。 睡眠の質を上げるためには、就寝時間を大体同じ時間帯にする、寝る直前までスマホをいじらない、寝る前にカフェインやアルコールをとらない、ストレッチをする、運動する、昼寝をし過ぎない、寝る部屋はリラックスできる環境にする、などがあります。 脳を元気にキープするためにしっかり寝てください。 ◎ マインドフルネス マインドフルネスとは今この瞬間に集中し、ありのままを受け入れることをいいます。 マインドフルネスは、記憶やストレスに関する脳の構造に良い変化をもたらしてくれる、と多くの研究で証明されています。 さらに年齢による認知能力の低下のブレーキになるとも言われています。 マインドフルネスになることで心身ともに良い効果が期待できます。 マインドフルネスをすることで何が良いのか、そしてどのようにすればいいのか、は「マインドフルネスでストレス発散」の記事へ。 神経可塑性を向上する為の行動は、結果、私たちの精神面にも良い行動となっています。 そして、自分を思うように変えられるのです。 つまりなりたい自分になれます。 やらなきゃ損ですよ。