承認欲求って何?強くなり過ぎたときの対処法。

「承認欲求」という言葉、聞いたことあると思います。 承認欲求には、自分で自分を認めたい「自己承認欲求」と自分以外の誰かに求める「他者承認欲求」があります。 今回は「他者承認欲求」について書いていきたいと思います。 「他者承認欲求」とは、すごい人だと思われたい、人から好かれたい、褒められたい、など人に認められたいという欲求で、人間であれば誰しも自然にもっているものです。 人からすごいと思われたり、褒められる行為は、私たちの気持ちを良くしてくれます。 自分の行動を改めて肯定でき、自信につながります。 さらに自分の価値を上げてくれる原料になり、精神的な安心感も得ることができます。 ただし、人から認められたいというその気持ちが強過ぎてしまうと、常に周りから注目されないと気が済まなくなったり、認めてほしいあまり相手を喜ばせることばかりに気をとられて自分の意見を無視してしまったりします。 そうすると、人の意見に頼らないと自分で物事を判断できなくなったり、逆に少しでも自分と異なる意見があれば侮辱されたと感じ腹を立てたり、感情のコントロールも難しくなってしまいます。 私を褒めて、認めて、注目して、というような行動は行き過ぎると、周りの人たちが疲れてしまうことにも。 その為、バランスをとることが大切です。 自然にわいてくるその欲求は必要なものでもあり、消すことはできません。 ということを認めた上で、承認欲求をコントロールする方法をみていきましょう。 ◎ 原因を知る。 承認欲求が強くなってしまうのには理由があります。 まず、その人が生まれ育った環境。 私たちが生きる社会の多くには、成功することが何よりも褒められることで失敗は良くない、という作り上げられた文化があります。 そういった環境で育つと、成功しない限り周りから認められる経験を得ることが難しくなり、欲求が満たされないまま成長してしまいます。 さらに、成功体験がないと自分は何もできないダメな奴だと自分の価値を下げることにもつながります。 何かを達成することは素晴らしいことですが、成功者を称え、失敗した者を批判の対象にするのは生きにくい世の中だと私は思います。 だから、成功や達成が合格、失敗や逃げが不合格、と決めつける考え方を見直しましょう。 結果よりもその過程に注目しましょう。 そこから私たちは学んで成長していくのです(ありきたりな言葉ですが事実です)。 そうすることで、成功したから認められる、失敗したから認められない、という安易な考えを捨てることができます。 次に、自己肯定感が低いことが承認欲求の強さにつながります。 成功を重視する傾向から親や周りの大人たちに認められた経験がない、虐待やネグレクトを受けて過酷な幼少生活を過ごした、など自分を肯定的にみる機会を得られなかったら、自己肯定感は育まれません。 また、大人になってからでも、自分以外の周りの同期は出世をしている、誰と付き合っても上手くいかない、人からバカにされた、などの経験で自己評価は低くなり自分自身を否定的に捉えてしまうこともあります。 自己肯定感が低いと自分の意見や性格、容姿などに自信がなくなり、不安な気持ちを常に抱えている状態になります。 その不安な気持ちを少しでも軽くするために、周りに認めてもらう必要があるのです。 もしあなたがすることやあなたの意見を常に誰かに認めてもらっていないと不安になるのであれば、その原因を探ってみて下さい。 まず原因を知ることで自分の行動を知り、それに対処する構えができ、認めてほしいという気持ちを和らげることにもつながっていきます。 ◎ 自分自身を認めてあげる。 誰かに認めてもらおうとする人たちには共通点があります。 それは、自分で自分を認めてあげていないところです。 自分を認めてあげれていなければ、いつまでも他人の評価に左右され、自分の価値を見出せない状態が続きます。 自分のことを一番わかってあげられるのは誰でもない自分です。 弱いところもあるかもしれませんが、得意なことや好きになれるところは必ずあります。 わからなければ、あなたが周りの人たちに褒めてほしい、認めてほしいと思うことは何かを考えてください。 それをまずあなたが最初に認めてあげてください。 自分を認め、自分ができたことを褒めてあげることができれば、周りの人たちの意見はあまり気にならなくなります。 批判されたらもちろん傷つくこともありますが、あなたがしっかりあなたの気持ちを支えることができていれば、そのダメージは軽くすむでしょう。 ◎ 自分はどうしたいのかを考える。 誰かの意見に合わせて自分を認めてもらうことは、批判されるかもしれない自分の意見を主張するより簡単です。 いえ、簡単な気がするだけで、実は後で辛くなってきます。 周りが喜ぶようなことをしていい関係をつくったとしてもそれは表面的なもので、あなた自身が心から喜べるような関係はつくれません。 なぜなら、相手もあなたが心を開ききっていないことを感じます。 そして相手も同じように、あなたに心を許すことを避けるでしょう。 本来の自分ではない自分を見せ続け、自分自身をもだますことになり、ストレスも蓄積させていきます。 認めてもらいたいという欲求は私たちを強く動かします。 でも、自分の価値観や意見、どうしたいのかはちゃんと考えましょう。 そして、あなたが関わる人全員に認めてもらうのは不可能だと頭に入れておきましょう。 承認欲求が強いと、人からの目線での素晴らしい成功、名誉、地位、などを目標としてしまい、あなた自身が本当はどうしたいのかという考えを置き去りにしてしまいます。 その結果、どれだけ人から素晴らしいと言われても、どこか心が満たされない部分が必ず出てきます。 承認欲求はモチベーションに変えたり、自信につなげたりとうまく利用することができます。 ただ、もしあなたがそれを人に強く求め過ぎていたら、なぜそうなってしまうのかを考え、自分を知って、まずあなたがあなた自身が認めてあげましょう。