辛い時のやる気の出し方(後半)

前回の記事「辛い時のやる気の出し方(前半)」で、やる気が出ない原因、外発的動機づけと内発的動機づけについて書きました。 今回も引き続き、精神的にしんどいときのやる気の出し方を見ていきたいと思います。 ◎考えるより動く。 だからぁ、動けないんだよ! って思いますよね。 休む時は思いっきり休むのもひとつです。 でも冒頭でも書いたように、やる気というものは自然にわいてくるものではありません。 行動していない時間が長いほど、脳はそれを素直に受け止め、この人は行動できないのだと解釈してあなたに思い込ませます。 だから、私たちに「動け」と脳が指示する必要もないのです。 つまり、やる気を出させるような指示をすることはありません。 しかし、脳はただ勘違いしているだけなのです。 動けることをあなたの脳にインプットし、脳に新しいネットワークをつくることが再びやる気が出るきっかけになります。 これを神経可塑性といい、脳が経験によって変化適応し成長し続ける能力です。 これは、今の習慣や行動、考え方などを良いものに変えられるということなのです。 やる気が出ず動けずにモヤモヤと考え続けることから少しだけ離れて、何も考えずにとりあえず体を動かしてみましょう。 あなたにとってできそうなことは何ですか? ぐーーーっっと背伸びをする、机をきれいにふく、外に一歩だけ出てみる、洗濯をする、料理をする、など少し体を動かしてできそうなことをしてみてください。 そうすることで、あなたの脳はあなたが動けないという勘違いに気付き、体を動かすモードになり、あなたはやる気を少しは感じることができるでしょう。 ◎自分の生き方は自分で決める。 誰かに何かをやれと言われた時って、特にやりたくないと思っていなかったことでも、やりたくなくなりませんか。 人は人から言われたことに対して中々やる気は出てきません。 人はみんな違うので、誰かのタイミングで指示されたり、誰かの目線や考えですべきことを提案されても、気持ちはついていかないのです。 結局は自分がどうしたいかは自分で考えなければいけません。 もちろん、誰かからアドバイスをもらったり、自分のやりたい事を見つけるために誰かの考えや経験を聞くことは大切です。 ただ、考えましょう。 誰もあなたの人生を生きてはくれないし責任もとってくれません。 どれだけあなたを愛していてもあなたの代わりになりたいと思ってくれていたとしても、難しい話です。 あなたはどんな生き方がしたいですか? どんな自分になりたいですか? やりたいことを見つけるのは簡単ではないですが、どんな自分になりたいのかを考えることはできます。 それが明確な目標になったら、そこへ向かうための行動をとるやる気になります。 ◎セルフケア。 精神的に辛い時、セルフケアを忘れないでください。 気持ちに余裕がないときほど、自分に対してのケアを怠りがちです。 セルフケアには「身体面」「感情面」「精神(スピリチュアル)面」「社交面」のカテゴリーで考えるとわかりやすいです。 体調はどうなのか、どんな気持ちでいることが多いのか、自分の価値観や信念を理解しているのか、人との付き合いはどうなのか、を観察してみてください。 そして、それらをあなたの理想になるように、つまり気持ちがリラックスできる状態を目指してケアをしてください。 詳しくは「セルフケアの方法」へ。 ◎自分に優しくする。 辛い経験をしたりストレスがたまってくると、自分に対して悲観的な見方をするようになることも多いです。 私はこんな人間だからどうせ何をやってもうまくいかない、これ以上失敗をして傷つきたくない、というように自分を批判し何かに挑戦することを恐れるようにもなります。 その結果、やる気なんて出ません。 自分自身を責めたり失敗を恐れているのなら、まず自分に対するその態度を変えましょう。 自分自身の批判をやめて優しく接してください。 きっとあなたは十分すぎるくらい自分の弱い部分を感じ、責めてきたでしょう。 だから次は優しくしてください。 「誰も完璧な人なんていないし、みんな悩みはある。失敗したっていい、考えて実行していることが大切なんだ。今できないことはあって悔しいけど辛いけどそれは仕方がない。でもだからこそ、今の自分を良くするためにできることを自分のペースでやればいいんだ。」 というような言葉をあなた自身にかけてあげてください。 あなたの大切な人が悩んでいる時、どんな言葉をかけてあげるか想像しながら。 ◎専門家に相談する。 精神的に辛い時はひとりでは考えが整理できないのは自然なことです。 この記事を読んでもしっくりこない、私にできると思えない、こんなことしたってどうせ良くならない、と感じているなら、カウンセラーやその他の専門家に一度相談することをお勧めします。 その一歩を踏み出すことも勇気のいることだと思います。 でも第三者に相談することで、これ以上辛い思いをしないように、少しでも楽に生きれるようになるきっかけになるかもしれません。 気持ちが辛い時、エネルギーがわかずやる気が出ません。Continue reading “辛い時のやる気の出し方(後半)”

辛い時のやる気の出し方(前半)

体調が優れないとき、嫌なことがあって元気がないとき、何もしたくなくなりませんか。 やらなければならないと頭ではわかっていても、どうしても動けないでいる。 やる気が出ない。 やるべきことをやれていない自分に嫌気はさすし、周りからは怠惰な人だと思われて余計に悲しくなる。 でも、体調が悪いときはもちろん、精神的にしんどいときは、休んでいたいものです。 やる気がでない原因には、うつ病や不安症、疲労感や倦怠感、バーンアウトなどの精神的に追い詰められている状態や自分には何もできないという自分に対する疑念などがあります。 そのような時には、今は動けないからやる気が出たら動こう、とやる気がわいてくるのを待っていたりします。 しかし、やる気というものは待っていてもあちらからやってきてくれるものではありません。 だから、いつになってもやる気が起こらずに動けないでいる自分に、やるべきことができていない状態に、さらに失望し無力感にさえなることも少なくありません。 なんとかやる気を出して動くことは、辛い状態をさらに悪化させないようにして気持ちを少しでも楽にするためにも大切なことです。 もしあなたが今辛い状況でやる気が出ずにさらに苦しんでいるのなら、少しでも何かをやり始める為に何ができるのか見ていきましょう。 ◎外発的動機づけと内発的動機づけを知る。 外発的動機づけ?内発的動機づけ? なんのこっちゃ、と初めて聞いた時、私は思いましたので説明します。 外発的動機づけとは、報酬を受けたり罰を避けるためなど、その行為を心から「やりたい!」というよりも、やることによって得られるもの、もしくは不快なことを避けるために動いているときに使います。 例えば、仕事は好きではないけど給料のために働いている、良い点数をとるために勉強する、本当は断りたいけど嫌われたくないから友達から誘われたら嫌なことでもする、親と口論したくないから言う通りの選択肢をする、など。 内発的動機づけとは、その行為自体が楽しく気持ちを満たしてくれるものなので、「やりたい!」と思ってその行動をとるときの動機のことです。 例えば、美味しいと言われることに喜びを感じているので飲食店で働いている、地元の人との交流が楽しいので色々な国にバックパッカーで旅をする、歴史に興味があるので勉強をする、など。 例をみると、外発的動機づけはマイナスなイメージ、内発的動機づけはポジティブなイメージになってしまっていますが、外発的動機づけもやる気を出す上でもちろん大切な要素です。 どれだけ充実した仕事でもお給料がなければ実際問題生きていけません。 何かをやり遂げて褒められることがないよりも、誰かに「よくやった!」と褒めてもらう方が達成感や次に進む活力は全然違います。 だから、外的要因は大切です。 ただし、それが内発的動機づけ要因よりも強くなる、もしくは内発的動機づけがない状態では、そのやる気を維持することは難しくなってしまいます。 それは、外発的動機づけに私たち自身の気持ちが入っていないからです。 気持ちを無視して報酬目的や脅威を避けるためだけに何かをし続けていると、「本当はあんなことがしたいのに」「毎日楽しくない」「私にはこれをするしか能がない」などという思いでストレスが知らない間にたまってしまいます。 今あなたがしている勉強や仕事が誰かに言われて仕方なくやっていたり、お金のためだけにやっていることなら、それを辞めて新しい気持ちが満たされる何かを見つける方が良いと思います。 勉強や仕事を辞めてもすぐにぶっ倒れることはないですが、ストレスを感じ続けることで精神的に壊れてしまう可能性は大です。 精神的に倒れてしまうと、やる気を出すどころか、立ち直ることも簡単ではありません。 もちろん、他に目標があってその為に今は給料の良いところでお金を貯めているだけだ、などの自分で決めた期間や過程であれば多少は問題ないと思います。 ただ、そうであってもストレスはやはり溜まるので自分のコントロールできる範囲で行い、内発的動機づけ、自分の心を満たしてくれるようなことも行うことは大切だと私は思います。 鬱鬱した気持ちや倦怠感などで辛い時は、自分が何をしている時に時間を忘れて楽しんでいたのか、気持ちがリフレッシュされていたのか、などを思い返してみてください。 そしてそれをあなたのペースでやってください。 何も思い浮かばなければ、とりあえずやってみてもいいかな、と思えることをしてみてください。 もしかしたら新しく夢中になれる何かが見つかるかもしれません。 そうすれば、そこから色々な方向にやる気がでてきます。 他のやる気を出すための方法は次回のブログに続きます。

先延ばしの習慣を変える5つの方法。

学生時代、試験前になるといつもはやらない部屋のそうじや食器の片づけをしたりして、勉強を後回しにしていた記憶はありませんか? また、今やらなければいけない仕事を締め切りギリギリまで始めず、直前になってどうしていいかわからなくなっていませんか? 何かを先延ばしにすることは、おそらく私たち全員が経験のあることだと思います。 その理由として多く言われているのは、時間の使い方が上手くできていないこと、面倒くさがりの性格、があります。 しかし、やらなければいけないことを慢性的に先延ばしにする原因には、感情面が関わっていると、多くの心理学者たちが提唱しています。 例えば、やらなければいけない課題を完成できなかったらどうしようという不安、責任が重くてその課題をやることを楽しめない(辛い)、そんなことをやって意味があるのかという疑問、などのマイナスな感情がその行動を遅らせます。 そして、そのマイナスな感情に上手く対応できないと、別のことをして気持ちを上げようとします。 その結果、やらなければいけないことを先延ばしにしてしまうということです。 課題を先延ばしにすることは自分が不快な気持ちにならないようにする守備行為ですが、それは長く続きません。 やらなければならないことができていない状況は、それをして不快な気持ちになるよりもストレスがかかります。 そして、その課題をしていない自分に対して恥ずかしいとか情けない気持ちになります。 イギリスのデュラム大学心理学科の教授フーシャ・シロワ博士によると、慢性的に先延ばしにする行為はうつ病、不安症、ストレスと強く関わっていると報告しています。 さらに、免疫低下にもつながり先延ばしの習慣がない人よりも体調を崩しやすいのだそうです。 1997年にアメリカの心理科学という専門誌でダイアン・タイスとロイ・バウマイスターが報告した研究で、論文の提出期限に遅れて提出した学生たちは、その期限までもしくは期限当日に提出した学生たちよりはるかにその出来は悪かったそうです。 課題を先延ばしにすることで、終わらせなければいけないプレッシャーやストレス、時間の余裕のなさから、その質はどうしても悪くなってしまう、ということです。 多くの研究でも言われているように、物事を先延ばしにする習慣は精神的にも身体的にも、そして仕事や学業にもマイナスの影響があります。 もしあなたが先延ばしによって苦しんでいるなら、その習慣を変えて無駄なストレスを減らしませんか。 具体的に何をすれば、今ある課題を今から始めることができるのか見ていきましょう。 ◎ 先延ばしにする原因を知る。 面倒だから、時間が足りない、などの理由で先延ばしにしているのなら、モチベーションを上げる方法を見つける、もしくは時間の使い方を学ぶことが大切です。 でももし先延ばしの原因が感情面にあるのなら、それが一体何か探ってみてください。 原因を見つけてそれを対処することで、先延ばしグセを減らすことができます。 例えば、周りの過度な期待があり失敗することが恐いという不安から、中々始めることができない、としましょう。 ではどうしてあなたは失敗することがそんなに恐いのでしょうか。 もちろん失敗することは、恥ずかしい、悔しいなどの不快な気持ちになることもあり、それが恐くて避けたくなるのは自然なことです。 でも失敗は当たり前にあるもので、過度に恐怖を感じているならその原因があるはずです。 それが何なのかを理解することは、それに対処するためにどうすればいいのかを考えることにつながります。 過去の辛い経験によって自己肯定感が低い、自信が持てない、周りに評価されるのが恐いなど、感情面での原因を探ってみてください。 そして、その原因がわかったら、まずそれを解決するためにできることをしていきましょう。 ◎ やらなかった後の自分の気持ちやその状況を想像してみる。 研究でも報告されているように、先延ばしにして思うように課題をこなすことができなかったり、できてもその出来が悪いと、余計にストレスを感じることになります。 他のことをして先延ばしにしてその時のストレスは減らすことができても、それはその時だけのもの。 その課題をしなかった後悔や自分に対する嫌悪感がふくらみ、結果が良くなくてさらに自信をなくしてしまい、次の課題もやりたくない、避けたい、という気持ちから再び先延ばしにしてしまう、という悪循環になってしまいます。 だから、やらなければならないことをする時、ある程度のストレスを感じたとしても、やらなかった後の気持ちや状況、それに伴うストレスを想像してみてください。 そして、逆にやり遂げた時の自分の気持ちや状況も想像してみてください。 今始めてやれるだけやった時の自分、先延ばしにして後で苦しんでいる自分、どちらになりたいかはあなたが決めてください。 ◎ 課題の意義を見つける。 自分自身が楽しめそうにない、興味がわかないようなことは、人間誰もやりたくありません。 でもやらなければいけないことはあり、それらをいつもいつも投げ出すことはできません。 なぜなら、その結果あなたや周りの人たちが苦しむことになることも大いにあるからです。 会社で決められたレポートをいつも遅れて提出していると、昇進は望めないどころか減給処分になるかもしれません。 子どものおむつを替えてあげないとバクテリアに感染して病気になってしまうかもしれません。 協力しなければいけない場面で自分の役割だけ遅れていると、周りからの信頼をなくすかもしれません。 楽しくないことでもやらなければいけないのなら、その中でもあなたがやる意義を見つけるようにしましょう。 気が乗らないことでも、それをやることであなたにとっての成長はありませんか? それをやることで新しい知識を得たり、知らない人と関われたり、信頼を得たり、将来の役に立つことにつながったりするかもしれません。 どうせやるなら、どうすれば楽しめるのかを考えましょう。 終わった後に自分にごほうびを用意しておくのもありです。 何か意義を見つけることは先延ばしにするクセを抑えてくれるはずです。 ◎ 大きな課題を小さな段階に分ける。 大きく複雑な課題を目の前にすると、自分にできるのかという不安でやる気をそがれることがあります。 でも、私たちはできそうなことならやろうとします。 なので、もしあなたがやろうとしている課題が、できるのか不安になるようなものだとしたら、それをできるだけ小さな段階に分けてみましょう。 例えば、あなたが学生で論文をこなすためには、いきなり文章を書き始めようとしても何をどこから書いていいのかわかりません。 まず論文全体の骨組みを考える、次にその構成の中身(ポイント)を考える、そのポイントに沿ってリサーチする、リサーチしたものをまとめていく、それらをその構成に当てはめていく、序章から書き始める、ポイント1を書く…、など論文完成まで細かく分けることで、これならできるかもという気持ちにさせてくれ作業にとりかかりやすくなります。Continue reading “先延ばしの習慣を変える5つの方法。”

失敗を認める方法

自分の失敗を認めることはとてつもなく難しいことだと私は思います。 失敗を認めることは、自分は間違っていたと断言することで、それによって傷ついたり恥ずかしい思いも感じることになります。 そんな不快な経験はできるだけ避けたいものです。 だから失敗は中々認められないのです。 しかし、失敗を認めない限り次に進むことができません。 また同じようなことで繰り返し失敗することにもつながってしまいます。 結論から言うと、自分のために失敗は認めましょう。 どうすれば失敗をして自分を落ち着かせることができるのでしょうか。 ◎ 失敗=あなたが「失敗」ではない、と知る。 失敗したからと言って、あなた自身が人として「失敗作」なのでは決してないことを知りましょう。 何かにしくじった時、私たちの中には「なんてことをしてしまったんだ、私は人として最低な奴だ」と自分の人格を責める人もいるでしょう。 でも失敗はひとつの経験です。 しかも全てが終わりになる経験ではありません。 ただ目的地に向かう為の当たり前にあるひとつの課程なのです。 失敗経験とあなた自身とは別物です。 失敗するたびに自分の価値を下げてしまう人は、このポイントを意識してみてください。 ◎ 失敗での辛い感情を受け入れる。 失敗は恥ずかしいです。 失敗は悲しいです。 失敗は不安につながります。 失敗は前に進もうという心をくじきます。 失敗はこのような色々なマイナスの感情を引き起こします。 それらを受け入れることは、傷つきたくない私たちにとって難しいことです。 でも、自分の感情は良いものでも悪いものでも自分の中で処理するべきなのです。 良いものだけを受け入れ、嫌なものは跳ね返すようなことは残念ながらできないのです。 見ないふりをしていても、それらは結局あなたの行動や生活に現れジャマをします。 例えば、仕事でミスをしてしまったけどそれを自分の失敗だと受け入れられず、後輩のせいだと責任逃れをしたとしましょう。 後輩からの信頼をなくすのはもちろん、次また同じような状況になったとき、そのミスの振り返りをしなかったために同じような失敗をしてしまう可能性は低くありません。 辛い感情でも受け止め、失敗を失敗と認めることで、同じような失敗をすることは激減するでしょう。 ◎ 過程に焦点を置く。 私たちは結果が全てだとそれに重きを置きがちですが、あまりにそればかりを気にしていると、成功が善、失敗は悪だと白黒の考え方になってしまいます。 もう一度言います。 失敗は当たり前にあることです。 決して悪でもないし、それがあなたを象徴するものではありません。 過程に目を向け、何が良くて何が悪かったからその結果になってしまったのか、を考えましょう。 そうすることで、失敗は結果ではなくなり次へ進む過程の一部となるのです。 ◎ 自分を許す。 何かミスをして人に迷惑をかけてしまったり、自分を窮地に追い込んでしまったら、あなた自身を責めてしまうことも多々あると思います。 もちろん、自分のしたことに対して責任をもち反省することは大切かつ必要です。 が、責めることと責任をもつことは違います。 責めることは、自分はダメな奴だと自分を非難するだけでそこからは何もうまれません。 責任をもつということは、自分のした行為を振り返り受け止め、どうすればその状況を良くしていけるのか、周りにはどう対応すればいいのか、など今後の行動を具体的に考え実行していくことです。 だから、過度に自分を責めてしまっていることに気付いたら、責めることを止め、失敗してしまった自分を許してあげてください。 してしまったことは変えることはできません。 どれだけ自分を責め立てたところで状況は変わらないのです。 人は失敗するものだと受け止め、失敗しても仕方がなかったんだ、次は気をつけよう、と自分を許してあげることで、その状況に対応できるようになります。 失敗経験は私たちの感情を揺さぶり、もうどうしようもできないと混乱させることがあります。 でも失敗は避けられないもので、落ち着いて対応すれば、ひとつの過程として過ぎるものです。 失敗を悪と捉えず、逆に次に進む糧にできるよう利用しましょう。

安心感を求める確認行動への3つの対処法

私たちには未来のことなどわかりません。 私たちには人の気持ちを間違いなく読み取る力はありません。 私たちには自分の行動が100%正しかったと証明することはできません。 こんなわからないことだらけの世界にいるのに、私たち人間は物事に意味を見出さないと気持ち悪く感じます。 だから、何かに挑戦するときに誰かに「大丈夫、あなたならできる」という言葉に励まされたり、間違った行動をとってしまったのではと感じた時「あなたは悪くないよ」と言われたらホッとしたりします。 物事が曖昧な状況だと私たちは安心したいのです。 安心したら気持ちも軽くなるし、新しいことに挑戦することもできます。 だから人として、不安な時に他の誰かや第三者に確認をすることはとっても自然なことです。 ただし、その確認行動が同じことで何度も何度も繰り返される、自分を信じることができなくなって誰かの助言がないと行動できない、確認行動のせいで日々の行動にマイナスの影響がある、とういような経験があれば注意が必要です。 何度も確認することで、それに付き合っている相手は同じことを繰り返し言うことに疲れてしまいます。 そしてそれは自分自身の生活にも支障をきたしてしまいます。 例えば、自分の言ったことが間違っていたのではという懸念が消えず仕事に集中できない、私は病気なのではという思いから情報収集をするために睡眠時間を削り本当に体調が崩れてしまう、など。 過度に確認行動をすることは私たちの精神面、そしてそれに伴う生活や体の健康にも良くない影響があります。 そもそも確認行動は安心感を得るための行動ですが、実は逆の効果があるのです。 曖昧な物事を明確にするためにその行動をとるので、常に曖昧なことばかりに目を向けていることになります。 そしてその結果、不安な気持ちがどんどん膨らんでくることになります。 なぜなら、曖昧なこと、特にこれから起こることに関しては、この世で誰一人として正確に言い当てることは不可能だからです。 たまたま話していたことが現実になることはあるでしょう。 でも全てのことを言い当てる人はいません。 だから、確認して少し安心しても確固たる証拠がないため、「本当に大丈夫かな」とまた同じことで不安になってしまうのです。 ではどうすれば、過剰な確認行動を減らすことができるのでしょうか。 ◎ 不確かな状況を受け入れる。 これから何が起こるかわからなくて不安だ、周りが自分に対してどう思っているのか気になって仕方がない、というような気持は決して心地良いものではありません。 でも、先程も書いたように、私たちは不確かな中で生きていて、全てを確実に言い当てることは不可能です。 だからある程度の心地悪さは受け止めるしかないのです。 そしてそれらをその状況を打破するための良いエネルギーに転換していきましょう。 新しいことに挑戦するのは不安だけどきっと自分の今後の糧になる、というような言葉をまず自分にかけてあげてください。 そうすることで、不安をモチベーションに変えることができます。 そしてその後で、緊張をほぐずために誰かに話を聞いてもらいましょう。 ◎ 過度な確認行動は安心材料にはならないことを知る。 誰かに確認したり情報を収集することで安心感は多少得ることができます。 が、何度も何度も同じことで確認し、周りや自分自身が疲れてしまっては本末転倒です。 安心したはずなのにまたすぐに不安になってしまうのは、欲しい言葉が得られなかったり、自分や未来に対して疑いの気持ちが強くなり過ぎている、ともとることができます。 その状況では誰にどれだけ確認しても不安は残るままです。 だから、あなたがなぜそこまで不安になっているのかを深く考えてみましょう。 あなたがあなた自身を疑ってしまう原因は一体何なのでしょうか。 どうして今から起きることは悪いことばかりだと考えてしまうのでしょうか。 どういった言葉を誰にかけてもらいたいのでしょうか。 それらを理解することが不安を解消する一歩となり、確認行動を減らしていくことができるようになるはずです。 ◎ 不安で誰かに確認したくなったらリラックス。 不安な気持ちになるとどうしても誰かに大丈夫と言ってもらいたい気持ち、わかります。 ただし、何度もそれを繰り返しそうになったらちょっとストップ。 不安な気持ちを体をリラックスさせて緩めましょう。 体をリラックスさせるには、深呼吸、誘導イメージ法、プログレッシブ・マッスル・リラクゼーション、マインドフルネス、体を動かす、などがあります。 その場ですぐできてお勧めなのは深呼吸。 ゆっくり息を吸ってゆっくり空気を吐き出すことで、血の巡りを良くして体の緊張感をほぐしてくれます。 そしてそれが気持ちの緊張感も緩めて、不安や焦りなどを軽くしてくれます。 それは少しの時間かもしれませんが、その時間があるのとないのとでは自分の気持ちのコントロール感覚が全く変わってきます。 試してみてください。 確認行動は私たち人間にとって自然にしたくなる行動です。 ただし、それが行き過ぎると精神的にマイナスの影響を与えてしまいます。 そのことに気付いてその行動をさせる原因を知り、バランスの良い確認行動で不安を軽くしましょう。

なりたい自分になる方法。パート4 ~変化のプロセス(後半)~

前回、プロチャスカとディクレメンテの行動変容モデルの5ステージを説明しました。 今回は、実際にその各ステージで具体的にどうすれば、自分の思い描く行動をとれるようになるのかを見ていきたいと思います。 それでは早速始めましょう。 ステージ1:無関心期 この時期は、自分の特定の行動に問題がない、またその行動を変える必要はないと思っています。 ただ、そう考えるということは、もしかすると変えた方がいいのかなと意識しているということです。 ここであなたにできることは、どうしてその特定の行動に関して考えたのか、どうして変える必要がないと思ったのかを、分析することです。 その行動が今のあなたにどんな影響を与え、今後それを続けていけば将来どのようにあなたに影響を与えうるのでしょうか。 例えば、あなたが人間不信になり人との関わりを極力避けるようになったとします。 もしあなたが、このままでいいのかな、とふと考えたとしたらどこかに疑問があるはずです。 人との関わりを避けることで人間関係での嫌な思いはしなくていいのかもしれない、でも毎日がパッとしない、誰かと話がしたいけどできない。 これがその特定の行動が今のあなたに対する影響です。 そして、今後の影響として、このまま誰とも深い関係になれずに孤独で寂しい人生になってしまう、など。 特定の行動の分析をしたら、次は、その行動を変えることに対して何があなたを止めているのか考えてみてください。 それは変わることへの不安? どうせできない、という諦めの気持ちから? 行動を変えることで大変なことがいっぱいあるから? 理由は人それぞれ色々あると思います。 一度考えてみてください。 ステージ2:関心期 行動を変えることに少し前向きになる時期です。 このステージでは、今の行動のメリットとデメリット、そしてその行動を変えることでのメリット、デメリットを思いつく限り、実際に書き出してみましょう。 そしてそれらを比べてみてください。 あなたを当てはめて想像しながら。 今の行動とそれを変えることでのメリットを比べた時、どちらのあなたが魅力的ですか? 今の行動とそれを変えることでのデメリットを比べた場合、どちらの方があなたにとって害がありますか? さらに、変えることでのメリットとデメリットを比べてみてください。 どちらの方があなたの心にぐっとくるでしょうか。 良い意味でも悪い意味でも。 自分を変えるモチベーション、少し上がってきてませんか? ステージ3:準備期 準備段階には、行動を変えようとすることで起きそうな妨害と元の行動に戻ってしまうような誘惑を考えて書き出してください。 そして、それらが起きた時への対処法、行動を変えることを後押ししてくれそうな要素を考えておきましょう。 例えば、ダイエットのためにジョギングを始めようとしているなら、走ることが面倒くさい気持ち、美味しそうなスイーツ、友人との飲み会、などが妨害や再発させる誘惑要素になります。 それらの対処法として、走るのが面倒くさくなった時は好きな人の顔や理想のスタイルになった自分を思い浮かべる、美味しそうなスイーツがあったらあと2キロ痩せてからのご褒美にする(もちろん食べ過ぎない)、友人との飲み会に誘われてもお酒を控えて食事量や内容もコントロールするようにする、それができなさそうなら断る、など。 これらはあくまでも例えばの話で、あなたができそうな対処法を見つけてください。 ステージ4:実行期 実際に今までの行動をやめている、もしくは新しい行動をとっているステージです。 この時期での最大の目標は、その行動を続けることです。 準備期間でも想定したように、行動を変えることを妨げるような出来事や考えは、ほぼほぼ起こります。 それらに対して準備した対処法で対応することがまず大切ですが、実際のところ全て思い通りにはいかないでしょう。 そのことを理解し、実行に移している段階で違う対処法も試しましょう。 関心期で考えたメリットとデメリットを思い出すのもひとつ。 実際に行動を変えたことで、あなたの体や気持ちは良くなったのかと観察するのもあり。 また、同じような目標をもっている誰かを巻き込んで一緒に取り組むのもありです。 あなたにとって効果的なものを実行しながら探ってください。 ただし、過度に無理をし過ぎないように。 無理をし過ぎるとその反動で、行動を変えることも叶わず自分自身を嫌いになってしまうことにもつながります。 きついな、と感じたら小休止しましょう。 時々のお休みは、今後も新しい行動を続けるための充電期間でもあります。 もちろんメリハリをつけてやる気がなくなってしまわないように注意も必要です。 ステージ5:維持期 新しい行動を定期的に続けて安定している時期です。 行動を維持するためには、その行動を維持しやすい環境をしっかり管理し、それを妨げるようなことも起こりうることを頭に入れておき、そういう場合にも対応できるようにしておきましょう。 さらに、同じような行動をしたいと思っている人が近くにいれば、役立つ情報や自分自身の経験を共有したり、その人の力になりましょう。Continue reading “なりたい自分になる方法。パート4 ~変化のプロセス(後半)~”

なりたい自分になる方法。パート4 ~ 変化のプロセス(前半)~

こんな人になりたい、あるいはこんな自分はもう嫌だ、と考えたことはありますか? きっと誰にでもあるのではないかと思います。 もちろん私もあります。 スタイルが良くなりたい、人に優しくありたい、お金をたくさん持っていたい、人見知りの自分が嫌だ、すぐに怒ってしまう自分が嫌いだ、などいっぱいあります。 煩悩は仏教の教えでは私たちを苦しめる欲だと言われていますが、自分自身を向上するために貪欲であることは良いと私は思います。 もちろん自分のことばかり考えたりそのことに執着し過ぎて、自分や誰かを傷つけたり不快な思いをさせることは良くないですが。 自分を良くすること、そして自分の嫌な部分を受け止め、少しでも自分のことを好きになりたいと思うことは心の健康のために大切な要素のひとつです。 なりたい自分になるために何を変えればいいのか、どう変わっていけばいいのかを探っていきましょう。 今回は、ジェームス・プロチャスカとカルロ・ディクレメンテが提唱した行動変容モデルを見ていきたいと思います。 その行動変容モデルは、変わることに対して、その個人がどれほど心の準備ができているのか、それによってどのような決断をして行動をしているのかを5つの段階で説明しています。 そのステージを理解することによって、あなたが変わりたいと思っている事に対してどのくらいやる気があるのか、変わるためにはどうすればいいのかが見えてきます。 ステージ1:無関心期 この段階ではまだ自分の行動に問題があるとは思っていません。 が、こうした方がいいのかな、ああなった方が楽なのかな、そうした方が健康にいいのかな、など、すこーしだけ変わることを意識している時期でもあります。 「真剣に考える前の意識」というところでしょうか。 しかし、変えることでの辛さや負担をより強く感じ、変える価値を見出すことが難しい時期です。 周りの誰かが指摘したとしても、素直に聞けず逆に行動を起こすことにさらに抵抗を感じてしまいます。 例えば、体重を落としたい、もしくは筋力をつけたいと考えているとしましょう。 そのためには、間食を減らし、運動を始めないといけないと考えます。 が、大好きな甘いものをやめるのも嫌だし、運動するのもめんどくさいし、このままで楽しいしいいか、と新しい行動をすることでの負担を強く感じ、意識はしているものの中々動かない時期です。 ステージ2:関心期 この時期はその名の通り、自分の行動を変えることに関心を持ち始める時期です。 もしかしたらこの行動は結果的に自分に害を及ぼすのではないか、変えないといけないのではと考え始めます。 この時期から、行動を変えることによるメリットを考えるようになり、変化による負担やデメリットと比べることもするようになります。 だけどまだ自信もなく、行動を変える目的も曖昧な時期でもあります。 この時期は1日の人もいれば何年も考えて過ごす人もいます。 例えば、運動した方が今後の健康にきっと良い、理想の体型にもなれる、いつかやらないと、というような変化に肯定的な考えと、時間をつくるのが難しい、食べることが楽しい、運動したら疲れる、などのマイナスの考えがぶつかり合っている状況です。 そんなことを思いながら、いつの間にか何年も経っていたということは結構あることではないでしょうか。 ステージ3:準備期 行動を変えること、もしくは新しい行動を身につけることのメリットを感じ、変えるためにできることをしようと決意する時期。 その行動を変えるためにどうすればいいのか情報収集したり、できることから少しずつ始めようとします。 例えば、太らないための食べ物はどういったものか、食べる時間帯、続けられそうな運動は何か、などの情報を調べ始め、少しだけ挑戦してみたりします。 ステージ4:実行期 実際に行動に移す実行期。 目標を設定し、問題のある行動をやめる、もしくは新しい行動を実際に始める時期です。 例えば、実際に1週間に2度3キロ走る、間食はカロリー制限して食べる、野菜を多く食べる、寝る前にストレッチする、などを積極的に行います。 ステージ5:維持期 この時期には、止めた行動をもう一度したくなるような誘惑があっても、それを制御して今の状況を維持することができるようになっています。 変化のプロセスを思い出し、変わった自分の良いところにフォーカスし、元に戻ってしまわないようにします。 例えば、友人からスイーツをたくさんもらったけど、カロリー制限はちゃんと守って食べることができた、走る予定の日に体調不良のため休んだが次の日に代わりに走った、など、新しい行動を維持することができます。 ※いつでもある再発期 元の行動に戻ってしまう時期を再発期といいます。 これはどのステージの間でも起こりうることです。 特に中毒性の高いギャンブルやたばこ、お酒などは途中でまた再開してしまうことはよくあります。 人間なのでモチベーションを維持するのが難しい時はいっぱいあります。 だからそれを繰り返しても仕方がないのです。 それでもその自分に気付いてまた頑張ればいいんです。 ただ、再発すればするほど次やる気を出すのが難しくなります。 できるだけモチベーションを絶やさないようにするにはどうすればいいのか、準備段階で考えておくのが再発防止につながります。 5つのそれぞれのステージで、そして再発防止のために具体的に何をすればいいのか、次回のブログで書いていきたいと思います。

自己肯定感を高める5つのステップ

「自己肯定感」という言葉は今ではよく耳にしますよね。 自己肯定感は、人間関係や日々の課題に取り組む姿勢、そして私たちのメンタルヘルスに密接に関係しています。 自己肯定感とは性格や外見、失敗や成功経験などの色々なエリアでの自分を総合した自己評価のことです。 自分に対する見方が肯定的であれば自己肯定感は高く、逆に否定的であれば自己肯定感は低いと言われています。 自分を認めて肯定的に感じている方がやっぱり気持ちが良くていいですよね。 自己肯定感が低いと自分のことを良く思っていないので、何をしても自分を批判する傾向があります。 失敗したときはもちろん自分を責め立て、何かうまくやり遂げた時でさえも「ラッキーなだけだった」と自分の実力を認めてあげることはほとんどしません。 さらに、自己肯定感が低いと自分の意見に自信が持てません。 だから他人の意見ばかりに頼ることになり、その人がいないと何も決めることができなくなってしまいます。 結果、自分の存在意義に疑問を感じ、人生に意味を見出せなくなることもあります。 このような状態が続くと、怒りやイライラ、不安や後悔などで感情的になり、自分や周りの誰かを身体的・精神的に傷つけてしまうことも起こり得ます。 こういう観点からも自己肯定感を高めることは私たちが健康的に生きるために大切なことなのです。 ただ、注意しなければいけない事もあります。 自己肯定感が高過ぎると、自分の良いところばかり誇張し自分の弱点や間違いを見逃す、あるいは「ごまかす」傾向があります。 その結果、自分の意見を最も重要視するために、他人の意見に耳を傾けないナルシストになってしまう可能性もあります。 なので、何事もバランスです。 極端に高いところを目指すのではなくバランスの取れたところで現実的に自分の評価をしましょう。 それを踏まえた上で自己肯定感を上げるために何ができるのか順に見ていきましょう。 1.自己肯定感が低い原因を探る。 どうしてあなたは自分を低く評価してしまうのでしょうか。 その原因は色々あります。 親の要望に応えることができなかった、褒められたり気を配られる経験がなかった、親からの身体的・精神的暴力を受けた、社会的地位が低い、重い病気と闘っている、うつ病などの精神的な症状がある、経済的に苦しい、などなど。 原因はひとつではなく複数のものが重なっている場合もあります。 あなたの自己肯定感が低い原因を探ってみてください。 そしてその原因がどれほどあなたの気持ちに影響しているのかも。 その気付きによって、不安になったり自分に厳しくなったりする意味がわかり、今後の対処もしやすくなります。 2.自分に対する考えは単なる意見であることに気付く。 あなたはどんな人ですか? 人といても盛り上げられないのでみんなから良く思われていない人? 得意なことがないので常に人と比べて劣等感を感じてしまう人? 何をするにも人の顔を伺ってしまう臆病でずるい人? まずあなたのあなたに対する見方を書き出してみて下さい。 そして、それらがあなたの意見なのか事実なのかを考えてみてください。 私たちが自分の中で思っている事は、ほとんどが自分の意見です。 それらによって私たちは悲しくなったり怒ったり喜んだり、またその意見を基に行動しているもしくは回避しているのです。 何をどう考えるのもあなたの自由です。 が、気をつけなければいけないのは、それらがあなたをマイナスの闇に連れて行ってしまう可能性があるということです。 意見とは曖昧なものでそれが勘違いや思い込みであることも多いのです。 勘違いや思い込みで嫌な気持ちになるのって無駄ではないでしょうか。 あなたに対するその思いは事実ですか、それとも意見ですか? 3.考え方を修正する。 あなたのあなたに対する思いが意見で、それがあなたを苦しめているのなら、その意見を変えましょう。 あなたの意見に確固たる証拠はありますか? あるのならそれらはどういった経験ですか? 逆にあなたの意見に反する経験や思いはありませんか? あなたが辛くなる考えには極端な意見が多くあります。 その考えを客観的に振り返り、その極端な部分を修正しましょう。 また、もしそれらが証拠に基づいた事実に近いものだとわかったなら、それらを受け止めることも必要です。 ただし、そこからまた色々な考えがでてくるはずです。 その考えが極端なものにならないように、さらにその思いを観察してください。 より詳しくは「マイナス思考を変える方法。」を参考にしてください。 3. 自分の良いところを素直に認めてあげる。 自己肯定感が低いと自分に厳しくなります。 「あの時私が失敗したせいでチームは負けた、みんな私を恨んでいるだろう」Continue reading “自己肯定感を高める5つのステップ”

「私は不十分?」な気持ちから解放される方法

どんな仕事をこなしても、試験で良い点数をとっても、ダイエットに成功しても、自分は不十分な人間だと感じることはありませんか? 自分はまだまだだな、もっと頑張らないといけない、など様々な経験からそう感じることは誰にでもあります。 しかし、目標を達成したはずなのに満足な気持ちになれず自分の力を疑ってしまう場合、心から喜ぶことができず不安な気持ちばかりになってしまいます。 それでは何をしても意味がないと無力感を感じ、私の力ではできないだろうと、できなさそうな物事を避けるようにもなります。 そうなると、自信はどんどん失われ自分に対する価値も低くみるようになってしまいます。 結果、心は病みます。 心を少しでも楽にするために、自分には何か欠けていると感じる原因を知り、それに基づいた解決法を探っていきましょう。 ◎理想の自分と現実の自分にギャップがある 不十分だと感じるということは、思い描いている理想の自分と現実の自分の状態にギャップがあるということです。 だから周りの人たちから褒められても、自分ではいまいち嬉しさを感じることができないでいる。 無意識に、「私はこんなものではない」というように感じてしまっているのかもしれません。 なので、まずその「理想の自分」を知りましょう。 次に、「今の自分」を知りましょう。 できるだけ詳しく。 そして、そのギャップがどのくらいなのかを知り、その差が大きければ「理想の自分」を現実的に改善してみましょう。 「今の自分」とあまりにかけ離れていては、達成感で満たされることや自分を認めてあげることは何をしても難しいでしょう。 詳しくは「なりたい自分になる方法。パート1」を参考にしてください。 ◎自己肯定感が低い 自己肯定感とは自分をどうみているのか、どのように受け止めているかという自分に対する自己評価のことです。 この自己肯定感は過去の経験などが影響し、その評価は低くなったり高くなったりします。 自分の価値を認めている人、自分はこれでいいんだと思えている人は、自己肯定感が高く、ある程度の自信がありストレスにも上手く対応できます。 逆に、自分に対してネガティブな感情を抱いている、つまり今の自分が好きではない人は自己肯定感が低く、あまり自信が持てません。 そして、自己肯定感が低いと、自分に対する態度も厳しくなってしまいます。 例えば、物事を上手くやり遂げた時や、誰かに褒められても、「偶然うまくいった、私の実力ではない」「褒めてくれたのはきっと私がかわいそうに見えたからだ。本心ではそうは思っていないはずだ」というふうに考えてしまう。 このような考え方では、いつまでも自分を認めてあげることはできないし、常に「私は不十分」という思いがつきまとうでしょう。 だから、考え方を変えましょう。 思考の改革です。 長年にわたって育てられた思考はそんなに簡単に変えられるものではありません。 が、変えることはできます。 まず、あなたがどんな思考パターンをもっているのかを観察してください。 そして、その考えによってどんな気持ちになるのか(嬉しいのか、悲しいのか、辛いのか、恥ずかしいのか、など)注目してください。 もしあなたに辛いとか悲しいなどのマイナスの感情が起きるなら、その元となる考えを振り返り少しでもポジティブ寄りなものに変えましょう。 そうすることで自分に対する見方が変わり、不十分だという思いを減らすことができます。 「損する考え方」「マイナス思考を変える4つのステップ」で詳しく書いているので参考にしてください。 ◎自分に厳しい。 先程も書きましたが、自己肯定感の低い人は自分に厳しい人が多いです。 理想の自分と今の自分とのギャップが大きい人も自分に厳しくなると思います。 人は最初から何でもできるわけではありません。 成し遂げたいことのレベルがその人にとってレベルが高いほど、その道は険しく精神的にもストレスが大きくかかります。 自分自身に喝を入れるため、何としても理想の自分になるため、ストイックになるのは悪いことではありません。 むしろ素晴らしいことです。 しかし、あまりに厳し過ぎて自分の良いところや許容量を無視し、自分をけなすようになるような厳しさは心に毒だと私は思います。 自分への思いやり、セルフ・コンパッションをもってあなた自身に接してみてください。 不十分だと感じたら、何が不十分なのか、それは必ず今できていないといけないのか、今後できる可能性はゼロなのか、逆にできたことは何なのか、など考えてください。 もしあなたの大切な人が同じように悩んでいたら、あなたはどう接しますか? 自分に優しくすることはあなたの心を満たすことにつながります。 ◎自分自身の価値観が曖昧 あなたはあなたの価値観についてどこまでわかっているでしょうか? 自分が不十分だと感じる人は、もしかしたら誰かの価値観で日々暮らしているのかもしれません。 あなたは誰かではないので(当たり前ですがw)、誰かの価値観で生きていれば不十分だと感じてもおかしくないでしょう。 例えば、本当は料理人になりたかったのに、両親が医者になってほしいと望んでいるのでその道を選ばざるを得なかったとしましょう。 医者になったあなたは両親の安堵し誇り高い表情を見ることはできましたが、生き生きと仕事をしている人を見ると自分には足りないものを感じる。 また、恋人を失いたくなくて何でもかんでも相手の意見に合わせて行動してしまい、いつの間にかその恋人の価値観で判断し行動している。 あなたの価値観を考えることもできず、その相手なしではどうしていいかわからず自分の存在自体が不十分なものになってしまう。 その脅威で人に依存し、離れられるのではないかという不安な気持ちを常に抱えていることにもなります。Continue reading “「私は不十分?」な気持ちから解放される方法”

辛いことがあっても人を信じる方法

人を信頼することは、社会的な動物の私たちが生きていく中でとても大切で必要なことです。 誰かを信頼することで、わからない未来に対する自分の判断に自信を持ち、行動することができます。 誰かを信頼する姿勢は、産まれてからの両親もしくは親の代わりに世話をしてくれる保護者との交流が影響します。 心理学者のエリック・エリクソンの発達段階説、精神科医のジョン・ボウルビーの愛着理論などではこう説明しています。 保護者がぶれずに子どもの求めていることに対応し、安全な環境をつくり子どもが危険な時には守ってあげることで、子どもはこの世界は信頼していいのだ、人は頼っていいのだ、と信頼を築いていく。 逆に、保護者の接し方が毎回違い予想できない、ネグレクト、身体的もしくは精神的虐待を受けたなどの経験は子どもはこの世界は危険だ、誰も信頼してはいけない、という考えを植え付けてしまう。 もちろん、人は完璧ではないので、保護者が絶対に間違いなく一貫性をもって対応することはできません。 全体のバランスとして、信頼できる経験の方がそうでない経験よりも多いことが大切だとエリクソンは説明しています。 ある程度人を疑うこともこの社会を生き抜くためには必要なことなので、信頼が揺らぐような経験もその糧になるとも思います。 ただ、精神的なダメージが大きすぎると信頼を再び築くことは難しいのですが。 幼少時の頃の経験だけではなく、10代の学生時代やその後社会に出てからの経験も、誰かを信頼する姿勢は影響されます。 例えば、親友だと思っていた人に陰で悪口を言われていた、一緒に会社を立ち上げた仲間にお金を全部持ち逃げされた、などの信じていた人から裏切られた経験によって、人間不信になることも大いにあります。 相手への信頼が強ければ強いほどそのショックは大きく、もう誰を信じていいのかわからなくなります。 誰かを信じれなくなったら、何をするにもまずは疑い、どうせこいつだって裏切るに違いない、と決めつけ、誰にも心を許すことはなくなるでしょう。 そうなると、自然と周りの人たちは離れていきます。 さらに、誰も信じられないと、この人の言っている事を信じて本当に大丈夫かな、何か悪いことが起きるのでは、また傷ついてしまうのでは、というように常に不安な気持ちでいっぱいになります。 そして、そういった不安感で物事を思うように進められなくなり、日々の生活に支障が出ます。 人間不信になることは、辛くて孤独です。 そのままの状態ではうつ病や不安症、その他の精神的な問題に発展します。 あなたが悪いわけではないのに、です。 嫌な経験をしたせいで、もう誰も信じない、と心に決めてしまったら、嘘や裏切りから自分を守ることはできるかもしれません。 でもその結果、常に周りに嫌悪感を抱いたり、不安や孤独感で自分をより苦しめてしまうことになる可能性は高いです。 人からひどい仕打ちを受けて信じられなくなったのなら、また誰かを信じようという気持ちになるのは簡単ではありません。 だけど誰かを再び信頼できるようになるということは、あなたを苦しめるギスギスした気持ちから解放され、人とのつながりの嬉しさをかみしめることができるということです。 そして、自信を取り戻すことができ、どうなるかわからないという不安な気持ちを軽くし、やってみたいことに挑戦することもできるようになります。 ではどうすればまた誰かを信じて頼れるようになるのでしょうか。 ◎ 信頼できる要素を知る。 私たちが誰かを信頼するにはいくつかの心理的条件があると言われています。 ウェイン・K・ホイとミーガン・ツァネン・モランの文献レビューによると、それらは、相手が「善い人かどうか」「頼れるかどうか」「能力があるかどうか」「正直かどうか」「心を開いているかどうか」というものです。 誰も信じられない、という状態は疑心暗鬼になって頭が混乱している状態です。 何を基準に信じることができるのかが分かれば、頭を整理する役に立つかもしれません。 詳しく見ていきましょう。 ここで言う「善い人」とは、あなたの大切にしている物事やあなたに対して敬意をはらい、相手の利益のためにそれらを利用するようなことはしない人のことです。 相手が「善い人」だと思えると安心感が芽生え、信頼することにつながっていきます。 二つ目の「頼れる人」は、相手が責任をもってあなたが求めることに対応してくれる人で、その行動に一貫性がある、つまりある程度予想できる人のことです。 長年付き合いのある人だと、あの人ならこうしてくれそう、こんな反応しそう、というように考えることありませんか? ところが、もし相手が思っていたのとかけ離れた行動をとったり、毎回人が変わったかのようにその行動に一貫性がないと、予測不可能で信頼するどころではありません。 また、あなたが求めていることに対して何かしらの受け答えをしたり助けを貸してくれる相手なら、こちらのことを想ってくれる人なんだと信頼することができます。 もちろん、相手があなたの全ての要求をのむこととは話が違ってきますが。 「能力がある人」とは、やると言ったことを実行できる力がある人のことです。 つまり言ったことをやる、約束を守れるかどうか。 言うまでもなく、約束を守れない人を信頼することは中々ないですよね。 「正直な人」はその言葉通り、思っていることと言っていることが一致する、嘘がない人のことです。 また、誠実で心から相手と向き合うという要素もあります。 最後に、「心を開いている人」は自分の情報を相手に開示してコミュニケーションをとる人のことです。 相手に自分の情報を伝えることは、リスクとることでもあります。 でもそれをするということは、相手がその情報を悪用しない、という信頼があるからできます。 相手がリスクをとってあなたに大切なことを話しているのなら、相手を信じようと思いますよね。 残念なことにあなたをだまそうとする人は嘘を話すこともあるでしょう。 その時は他の要素も合わせて考慮してみてください。 人間不信になって誰とも関わりたくなくなるのは自然なことです。 でもその状況が長く続くとあなたの心が疲れてしまい、色々な場面で支障がでてきます。 あなたにとってどういう人が信じられるのか、少しずつ人と交流しながら考えてみることが再び人を信頼することにつながっていくかもしれません。 ◎ 自分の安全な部分を相手にみせてみる。 相手が心を開いてくれると自分も安心できるように、あなた自身も相手に心を開くことは良い関係をつくるためにもコミュニケーションをうまくとるためにも大切なことです。Continue reading “辛いことがあっても人を信じる方法”