精神的な問題を抱える人に対するスティグマとは?

「スティグマ」という言葉を聞いたことありますか?

大半の人たちの特徴や健康状態、環境と異なっている、という理由でその人たちに対してマイナスのイメージをもち、否定的な態度をとることを「スティグマ」といいます。

つまり、ある事に対して偏見をもち差別をすることです。

精神疾患や精神的な悩みに対する「スティグマ」もあります。

例えば、「精神科医に通っているからあの人は頭がおかしい」「精神的に病んでいるから危険だ」「病んでいるのは心が弱いせいだ」というような考えをもち相手を判断します。

そういう認識のせいで、その人を白い目で見たり、仲間から外したり、と否定的な態度をとってしまいます。

そのような「スティグマ」があることで、精神的な問題を抱える当人たちが自分自身に対してネガティブな考えをもってしまうことも珍しくありません。

「いつも気持ちが沈んでいるのは、私の心が弱いからだ、もっと強くならないといけない」「お医者さんに助けを求めるのは恥ずかしい、誰かに見られたらどんな噂をたてられるかわからない」などという気持ちから、助けを求めるのを躊躇したり、自分を責めたりします。

その結果、対処が遅れて症状が悪化したり、人との交流を避け孤独になってしまうことにもつながります。

このように「スティグマ」は、精神的に問題を解決する妨害となるものです。

ではどうして、「スティグマ」が起こってしまうのでしょうか。

それは、精神的な問題への知識と理解が足りないこと、またそれを知ろうとしないこと、そのせいで間違った考え方をもってしまっていることが原因です。

先程も書きましたが、精神的に問題を抱えている人たちは「危険」「頭がおかしい」「心が弱い」「忍耐が足りない」というような考え方もあります。

また、昔からの言い伝えや文化で、「悪魔に憑りつかれた」「呪われた」などの超自然的な存在を理由づけるところもあります。

しかし、それらは科学的な根拠もないし、精神的に悩みを抱えている人たちは危険でも頭がおかしくなったわけでもありません。

誰でもストレスは感じますよね。

そのストレスが強かったり長く続いたりすると、心が辛くなってしまう、つまり精神的な問題に発展するのです。

だから、特別に変なことではありません。

ただ、とても辛くて普段の生活に支障が出るため、そうでない周りの人たちと比べると本人ですら自分を「変な人」と特別に思ってしまうのです。

「スティグマ」をなくすために私たちができることは何でしょう。

それは、精神的な問題に対して正しい知識をもち、理解を深めることです。

誰かが言っていた、SNSで見た、だけで物事を判断することはやめましょう。

そこにはちゃんとした根拠はありません。

専門家の意見やちゃんとした情報源から知識を得ましょう。

もしあなたの親しい人が精神的に辛い思いをしているのなら、話を聞いて下さい。

実際に経験している人の気持ちを知ることで、その状況や気持ちを深く理解することができるでしょう。

話を聞いてもらうことで、相手も少しは気持ちが楽になるはずです。

もしあなた自身の心が疲れているなら、あなた自身でもその問題は一体何なのかを調べ、どこからくるのか、などを考えましょう。

そして、仕事を休む、嫌な人と距離を置く、好きなことをする、体を動かす、などなど、その症状に応じて、やるべきことをやりましょう。

自分でどうすることもできなければ、専門家に相談しましょう。

誰かに知られたら恥ずかしい、変に思われたくない、と避けたくなるかもしれませんが、あなたを変だと言って不快にする人たちは、人の気持ちを考えず、薄っぺらい情報に翻弄されている知識のない人たちです。

そして結局そういう人たちはあなたに何もしてくれないどころか、さらにストレスを与えあなたの気持ちは辛くなるばかりです。

じゃあ、行動を起こしてあなたの心が良くなる方がいいと思いませんか?

まずあなたが何に苦しんでいるのかを理解し、自分自身を否定的にみるのをやめましょう

それが周りの誰かの場合であれば、その状況やその人の気持ちを正しい情報で理解しようとしましょう。

だからといって受け入れなくてもいいのです。

あなたが相手の意見に賛同しなくても構いません。

だって人間みんな違う意見をもって当たり前で、全てに賛同することはできません。

ただ、わかろうとすることで、こういう考え方もあるんだなと、相手がおかしいと決めつけたりネガティブな態度をとったりすることを抑えることができます。

精神的に辛い経験は誰にでもあります。

間違った見方や攻撃するような態度でその状況を悪化させるのではなく、理解を深めてちゃんとした知識に基づいて行動して、誰かや自分自身の気持ちをケアしましょう。

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