気分のムラが激しいのはなぜ?

さっきまで楽しいと感じていたのに、急にイライラしてきたり、悲しくなって涙が出てきたり、自分の気持ちにアップダウンを感じることはありませんか?

そしてそれらがコントロールできなかったり、どうしてそれが起きるのか自分でもわからなかったりすると、さらに精神的に追い込まれることにもなります。

あなたにとって良いこと、嫌なことが混在する日々の生活の中では、気分にムラがあることは自然なことです。

色々な出来事に私たちの気持ちは影響を受けているのです。

ただし、あまりに極端に気持ちが変化したり、いつもと違った気分の浮き沈みで行動が振り回されている場合、生活や人との関わりにも悪影響がでてきます。

そういう時には、どうしていつも以上に気分にムラがあるのか、まずその理由を知ることが大切です。

理由を知ることで、それぞれに合ったやり方で対処していくことができます。

 生活の変化によるストレス

例えば引っ越しや転職、結婚や大切な人との別れなど、普段の生活に変化があると、多かれ少なかれストレスを感じます。

その変化がワクワクするものであっても不安に感じるものであっても、です。

新しい生活を始めることで、いつもと違う気を張ったり慣れないことが多く思い通りにいかなかったりと、精神的な負担がかかるものです。

新しいことに挑戦していこう、楽しみだ、と前向きに思う反面、上手くいくかな、失敗したらどうしよう、などの不安な気持ちがより顕著に出る生活が変わる場面では気分のムラが激しくなることが考えられます。

 慢性的なストレス

自分で感情をコントロールしようと思っていても、ストレスになる原因に上手く対処できていないと、やはりそれらによって感情は揺さぶられます。

ストレスがあるところに、さらにストレスを感じる事が起きたり、その状況が長い間続いたりすると、より気持ちは不安定になり、感情をコントロールすることはなおのこと難しくなります。

気持ちが明るくなることがあったとしても、ストレスの原因になるものを解決できずにいると、そのせいでまたイライラしたり不安になったり、気持ちの浮き沈みが起こるのは不思議ではありません。

 精神的な問題

躁うつ病やうつ病などの気分障害や、境界線パーソナリティ障害、アルコール・薬物依存症などの精神的な病気に、激しい気分の浮き沈みがみられることがあります。

躁うつ病の症状には、気分が異常に高揚している躁病エピソードと、反対に何に対してもやる気を失い気分が極度に落ち込むうつ病エピソードがあり、その気分のムラは非常に激しいです。

うつ病の症状に躁病エピソードはありませんが、持続的に落ち込んでいる状態の中で、昨日は少し気分が良かったのに今日は悲しくてベッドから出られない、などの気分の浮き沈みがあります。

境界線パーソナリティ障害は、環境の変化や人との離別を極端に恐れ、そうなるかもしれないと感じたたけで、人が変わったように相手に対する態度を変える特徴があります。

自分の思うように一緒にいてくれる人には、初めの頃は良く接するものの、その相手が十分に自分のことを思っていないと感じると、相手に突然怒りを向けるなどの激しい感情の変化がみられます。

アルコール・薬物依存症では、お酒や薬の影響で気分が激しく高揚したり、またそれらが手に入らない時に禁断症状で異常にイライラしたりどうしようもなく不安になったりと、気分のアップダウンが起こります。

 ホルモンの変化

私たちの気持ちを揺さぶる原因はストレスや精神的な問題だけでなく、体の変化にもあります。

子どもから青年の体に成長していく思春期は、気持ちを前向きにしてくれるセロトニンというホルモンの分泌が他のどの年代よりも少ない時期だと言われています。

その為、イライラすることが多く、怒りっぽくなってしまいます。

女性の場合、エストロゲンという女性ホルモンの変化が起こる月経前や出産後、閉経後、更年期などの時期に気持ちの浮き沈みが起こりやすくなります。

エストロゲンは幸せホルモンのセロトニンの分泌を促す役割をしており、上記に挙げた時期はエストロゲンが減少する為、気持ちが落ち込みやすくなるのです。

男性の場合、アンドロポーズと呼ばれる男性更年期に男性ホルモンのテストステロンが減少することで、イライラや癇癪などを特徴とした気持ちの浮き沈みが起こります。

 ダイエット(栄養不足)

バランスの悪い食生活は私たちのメンタルヘルスにもマイナスの影響を与えてしまいます。

食べ物と精神面は関係ないだろう、とツッコンでいる方もいるかもしれません。

でも、食べ物が私たちの脳を動かす源であり、記憶力や認知力、そして感情のコントロールに関わっているのです。

そして、体をつくる上でも必要な栄養素はあり、それらが不足すると力がわいてこず、病気にさえなり得ます。

体の不調があるとそれはやはり精神的に辛くなる原因であり、気持ちも沈んでしまいます。

例えば、ダイエットなどで過度な糖質制限をして低血糖になってしまったら、血糖値を上げようとアドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。

そしてそれらが必要以上に分泌された場合、イライラしたり怒りっぽくなったりします。

ナショナル・カウンシル・フォー・メンタル・ウェルビーイングによると、亜鉛、鉄分、ビタミンB、マグネシウム、ビタミンD、オメガ3脂肪酸の栄養不足によって、不機嫌やエネルギー不足の原因になるそうです。

食生活が私たちの気分に影響することを知り、バランス良く食べるようにしましょう。

 寝不足

睡眠不足や睡眠の質が悪い日が続くと、私たちの気分はマイナスの影響を受けます。

それは、睡眠を適切にとることによって機能する前頭葉の働きが鈍くなってしまうことにあります。

前頭葉は、感情の処理を行う偏桃体を見張る役目をしていて、過度に感情的にならないように抑制をしています。

その前頭葉の働きが鈍くなってしまうと、偏桃体の抑制も鈍くなり、ストレスに対する感情の反応も強く出てしまうことになります。

そのため睡眠不足になると、感情的になりやすくなるのです。

気分にムラがあるのは様々な理由があります。

まずその理由を知って、できるだけその気分に振り回されないようにして余計なストレスを減らしましょう。

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