メンタルヘルスの問題を抱えた人をケアするときのセルフケアの方法

前回のブログで「メンタルヘルスの問題を抱える人をサポートするには?」について書きました。

今回は、そのサポートする人がどのようにしてストレスを溜めないようにするのかを見ていきたいと思います。

精神的に辛い思いをしている人はもちろんですが、周りでその人と関わったり、支える人も正直言ってしんどいです。

ストレスめちゃくちゃ溜まります。

相手に良くなってほしいという気持ちがあるから、元気になれそうな色々な提案をしたり、できるだけひとりにさせないように自分の時間を割いたりします。

でも、相手は、そんなことできないとネガティブな反応ばかりしたり、あなたはいいよね、と攻撃的に八つ当たりしてきたり、あなたの期待と同じ方向に進まないことが多々あります。

もちろん相手はわざとやっているわけではありません。

心に余裕がなく、周りも自分自身も客観的に見ることができなくなっています。

そのことを理解した上でも、ケアする側としては思い通りにいかないことが多いので辛いです。

そういう状況が長く続いてしまうと、ケアする側もイライラや落ち込み、不安な気持ち、眠れないなどの症状から、精神的に壊れてしまうことだってあります。

そうならないためにケアをする人にもケアが必要なのです。

どのようにセルフケアを行えばいいのでしょうか。

 自分の不調に敏感になる。

誰かのために動いているとき、自分のことを忘れがちです。

もしあなたが常にイライラしたり、気分にムラがあったり、いつもできていることが何故かできなかったり、無力感を感じるなど、いつもと違う感覚があったら、それはあなたの体や心が不調を訴えているときです。

そんなときは、あなたのための時間を優先してください。

相手を思いやるのと同じように、あなた自身を思いやってあげることは大切です。

そうでなければあなたも相手も共倒れです。

体調や心の不調に敏感になって、悪化させないようにしてください。

 自分のための時間をつくる。

誰かのためを思って時間を割くことは素晴らしいことです。

でも、それが自分のやりたいこと、やるべきことの妨げになったとき、当然ですがストレスの元となります。

さらに、こんなにも時間をとってあげているのに、私のエネルギーを犠牲にしているのに、と相手に対して怒りを感じたり、押しつけがましくなってしまうことにもなります。

人は、自分のニーズが満たされて初めて心に余裕ができ、相手を思いやることができるのだと思います。

あなたがやるべきこと、やりたいことにはちゃんと時間をとりましょう。

 完璧でなくていい。

相手の辛さを全て受け止め、私が全部何とかしないと、という考えをもっているのなら、それはとっとと捨ててください。

これは、メンタルヘルスの問題を抱える人を支えるときだけでなく、例えば子育てや介護など誰かのケアをするときも同様です。

相手の要望を全て満たす完璧なお世話をすることは不可能です

私のせいで彼、彼女はいつまでも苦しんでいる、と自分を責めたり、自分の不十分さに自信を失ったり、完璧を目指せば目指すほどあなた自身を追い詰めてしまいます。

全てこなすことは無理だ、だって人間だもの、と自分に言い聞かせましょう。

誰かの力をかりましょう。

やれることだけに集中しましょう。

 周りに助けを求める。

精神的に辛い思いをしている人は孤独感を強く感じています。

でも、その人のケアをしている人も同じように孤独感を経験しています。

相手と一番近い関係にいるのは自分だから、相手が助けを求めているのは自分だけだから、誰かに相談してその人を巻き込みたくない、と誰にも相談できずにいる人も少なくないと思います。

だけど、助けは求めましょう。

精神的な問題は特に、治ったといえるラインがとても曖昧です。

良くなったと思えば次の日にはものすごく落ち込んでいたり、その人が日々経験する状況によって気分のムラもあり、それらは近くにいる人たちの気持ちも大きく揺さぶります。

だから、もし一人で苦しんでいるのなら、あなたの家族の誰かだったり、親戚だったり、友人だったり、話を聞いてもらいましょう。

あなたの周りの誰かがその状況を知っていると思うだけでも気持ちが楽になることがあります。

 専門家に相談する。

心の問題はとてもセンシティブで、深く関わっていない人たちからはあまり理解されないこともあります。

だからあなたが相談しても期待している反応を必ずしも得られるとは限らず、余計に苦しくなってしまう場合はあります。

家族や親戚、友人に相談しても状況が変わらない、もしくはそういう人がいないなら、あなた自身がカウンセリングを受けることをお勧めします。

話す相手が精神的な問題の専門的な知識を持っていて、あなたの考えや悩みにフォーカスしてくれるという点で、安心感がうまれ、ストレスを軽減する方法が見つかる可能性が高くなります。

あなた自身のメンタルヘルスを良い状態で維持するために専門家と話をすることもひとつの方法です。

精神的に辛い思いをしている誰かを支えているあなた自身も、相当な精神的エネルギーを使っています。

自分のケアを忘れずにあなたが壊れてしまわないようにしましょう。

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