SNSはメンタルヘルスに良いのか悪いのか?

Facebook、Instagram、TikTok、Twitter

この中で知っている言葉ひとつでもありましたか?

知ってて当たり前、と思われる方がほとんどだと思います。

そうです、これらは多くの人が利用している、もしくはしたことのある人気のソーシャルネットワーキングサービス、いわゆるSNSの名前ですよね。

SNSは誰かとコミュニケーションをとるツールとして今では世界中の人口の約半分の人たちが利用しています。

それはそれは便利で役に立つツールです。

世界中の人たちと一瞬で繋がれるし、遠く離れた家族や友人の様子がわかり、世の中で何が起きているのかすぐに把握でき、社会問題や自分が大切だと思うことを主張することができます。

誰かと繋がっていると感じられるし、辛い時は誰かのコメントで元気が出たりする。

企業なら自分たちの商品を低コストで大きく広める事も出来ます。

この時代、SNSは私たちの生活から切り離すことはできないと思います。

ただ、便利で楽しい面がある一方で、やはりマイナスな面もあります。

最近では私たちの精神的な健康に対する問題もよく言われています。

SNSを利用することと不安症とうつ病の症状は関連性がある、と多くの研究で報告されています。

海外に旅行で楽しんでいる写真、友人たちの仲良さそうな写真、恋人と幸せそうに寄り添っている写真など、あなたがいいな、と思うイメージを見ると、自分への物足りなささを実感してしまいます。

それらの写真が全て現実ではない、良いところだけを見せようとしているだけだとわかっていてもやはり「私はダメだな、みんなみたいに輝いてないな」などと自分に足りていないものに目をやってしまったりします。

その結果、落ち込んで自信をなくしたり、将来への不安をつのらせてもおかしくありません。

ネット上のいじめや誹謗中傷などもニュースでよく耳にするのではないでしょうか。

また、特に10代の若者に多いと言われていますが、SNSを常にチェックしていないと落ち着かない、とSNSに依存してしまうこともあります。

英語でFOMO(Fear Of Missing Out)、「取り残されることへの恐怖」ともいいますが、 友人たちがどんなことをしているのか、流行に乗り遅れていないだろうかという不安から常に人の投稿が気になってしまうのが、そのひとつの理由です。

もうひとつの理由として、自分の投稿したものに対して、「いいね」やリツイートなどの良い反応をみると、私たちの脳は幸せホルモンのドーパミンを分泌します。

そして、またその幸福感を得たくて、頻繁に投稿しようとそのことばかり考えてしまう。

その結果、やらなければいけないことを怠ったり、睡眠時間を削って物事に集中できなかったり、と毎日の生活に支障が出てきます。

SNSを利用することでいち早く役立つ情報を得ることができ私たちの人間関係も大きく広がります。

ただ、利用する際、どのようなマイナスな面があるのかを理解しておくことは、精神的に辛くならない為に大切なことです。

その上で、どのようなことに気をつければいいのかを具体的にみていきましょう。

実際に人と会う時間をつくる・増やす。

SNSをして過ごしている時間の方が誰かと実際に会っている時間より多くなっていませんか?

コロナの影響で今までは中々人と会い辛い期間が続いていましたが、感染症法上での位置づけが変わり、今後はまた以前のように気にせず人と会えます。

私たちは人と実際に会うことでオンライン上で交流するよりもはるかに多くの情報を得ることができます。

その情報は例えば非言語コミュニケーションで、相手の姿勢や手のしぐさ、細かい表情などから相手の言いたいことをより正確に感じ取ることができます。

その結果、コミュニケーションもスムーズになり、お互いの信頼関係も深まりやすくなります。

さらに、握手やハグなどのスキンシップは人間同士の絆を深める愛情ホルモンのオキシトシンの分泌を促します。

オキシトシンは不安な気持ちやストレスを軽減させてくれるホルモンでもあります。

実際に大切な人と会うことで、その関係性を深めるために、そして絆の強い関係を持っているありがたさとそれによる幸せな気持ちを感じるために、実際に人と会う時間を意識してみませんか。

人と比べない。

誰かの「輝いている」投稿を見て、自分には足りないところを顕著に感じてしまう。

そして、自分はダメだと深みにハマっていってしまう。

人と比べる行為は自然なことですが、自分を蔑んでしまうのならその無意味な行為を止めましょう。

私たちはみんな違います。

比べることはできません。

だから無意味なんです。

物足りなさを感じるのならその正体は何なのか探ってみてください。

友達と楽しそうにしている投稿を見てため息が出るのなら、深い人間関係を欲しているのかもしれません。

ゴージャスな食事をしている写真を見て嫉妬心を感じるのなら、今の経済状況に不満があるのでしょう。

誰かの投稿と自分を比べて落ち込み続けるのではなく、その物足りなさを埋めるためにどうすれば良いのか考える方がいいと私は思います。

そうすることで、実際に行動し今の物足りない自分から抜け出すことができるのではないでしょうか。

睡眠の質に気をつける。

睡眠の質は体の健康にはもちろん、心の健康にも深く関係しています。

寝る前にスマホを見てたらもうこんな時間、ということはよくあると思います。

SNSはその人の嗜好や興味のありそうなものを過去の履歴と紐づけて表示するので、エンドレスに見てしまい、止めることが難しい人も多いと思います。

でも寝る時間はちゃんと確保しましょう。

SNSが気になってついつい遅くまで見てしまう、夜中に起きてチェックする、などの行動を続けていると不眠症にもつながります。

寝たいときに中々眠れず、朝起きても疲れている状態です。

睡眠がしっかりとれていないと、イライラもするし物事に対して感情的に反応してしまうとも言われています。

SNSの利用であなたの睡眠は影響されていませんか?

もしそうなら睡眠の質を上げるための対策をとりましょう。

◎SNSの通知をオフにする。

何か別のことをしている時にスマホがピコンと音が鳴れば反応します。

(そのスマホの持ち主でなくても心の中で反応します。)

そしてそれらがあるたびにSNSを開いてチェックしていたら、結構な時間を費やしてしまいます。

そしてその時やっていることに集中できなかったり、やるべきことを後回しにしてしまうことにもなります。

もちろん、あなたの自由な時間であれば好きなことをしてストレスを発散することは良いことです。

が、もしあなたが少しでも疲れたと感じているのなら、通知をオフにするだけでもSNSを利用する頻度を減らすのには効果的です。

自分を振り返る時間をつくる。

SNSを常にチェックする傾向があると、他の人たちの情報ばかりを吸収して、一番大切な自分のことを放ったらかしにしてしまいがちです。

特にSNSをチェックする理由が暇つぶしの場合、それが習慣化されているので自分を振り返る時間はまあないでしょう。

SNS云々よりも自分を振り返ること自体、意識しないと中々できないのでなおさらです。

今の自分の気持ちの状態がどのようなものなのか、疲れているのか元気なのか、睡眠は足りているのか、何をすれば自分は楽しめるのか、などに気付いていることは心が元気でいるためにとても大切なことです。

自分がどのような投稿やコメントに嬉しくなったり悲しくなったり怒りを感じたりするのか、そしてそれがなぜなのかを考える時間をとることも、SNSを上手く利用するひとつの方法です。

あなた自身の情報は誰のそれよりも敏感でいましょう。

アクティブユーザーになる。

ここで言うアクティブ(積極的)・ユーザーは、そのサービスに積極的に投稿したり、コメントを残したり、「いいね」を押したり、他のユーザーたちとそのSNSを使って交流している人たちのことです。

この逆であるパッシブ(受け身的)・ユーザーは、ただ他の人たちの投稿を閲覧をしているだけで特に交流しようとしないユーザーのことです。

多数の研究では、SNSを閲覧のみで利用している人たちは、社交不安症の症状の悪化や孤独感をつくるなどの精神面にマイナスな影響を受けやすいと発表しています。

SNSで誰かと繋がってひとりではないと感じられるメリットがある反面、受け身で利用していると孤独感が出てきてしまうのには注意が必要です。

また、積極的に他の人たちとコミュニケーションをとっている場合、そのようなマイナスの影響は見られないそうです。

もちろん、誰かを傷つけるような投稿やコメントをするアクティブ・ユーザーにはならないように気をつけましょう。

SNSは簡単に誰かと交流できる大変便利なツールです。

使うことで様々な情報を得ることができるし、遠くにいても人と繋がっていられるなどの良いところもたくさんあります。

ただ、使い方をコントロールしていないと、自分の足りないところばかりに目を向けたり、何気ない一言で傷ついたり、孤独で不安な気持ちが増したり、とマイナスな影響もあります。

それらを把握した上でSNSを上手に利用していきましょう。

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