睡眠の質を上げる方法。

人間は人生の約3分の1の時間を睡眠に使っていると言われています。

しかし、誰しもがその3分の1の時間を気持ち良く効率的に眠れているとは限りません。

寝たいのに寝れない、夜中に必ず起きてしまう、いっぱい寝てるのに常に眠たくて仕方ない、など睡眠に関する悩みは絶えません。

そういった睡眠問題が続くと、私たちの体や心に大きな負担がかかってきます。

身体面では、心臓や血管などにおける病気、糖尿病、高血圧などになるリスクが高まると報告されています。

精神面ではうつや不安症、ストレスの増加につながります。

2020年のSimon, Vallat, Rossi, Walkerさんらの研究では、睡眠が不十分だと自身の心の状態に気付きそれらを表現することも難しくなる一方で、物事に対して感情的になる傾向があるのだと発表されています。

さらに、2022年の研究では、睡眠不足になると人は利他的ではなくなる、つまり手助けを必要としている誰かがいても助けようとしない、とも報告されました。

それは、寝不足になると、思いやりの感情の形成に関わる脳の部分の元気がなくなりそれにまつわる行動を起こすモチベーションがなくなるからだそうです。

この研究を読んで、睡眠とはなんて大切なんだ!と改めて感じました。

人それぞれの考え方があると思いますが、自分では意識していないのに自分の優しい要素が減ってしまうのはなんか寂しいですね。

どうしてあの時あの人に手を貸してあげられなかったんだろう、とか感情的になって取り返しのつかない事をしてしまった、などと後悔してしまう事って、生きている中であると思います。

その原因が実は睡眠不足という可能性もあるのです。

このように、睡眠の質は、脳から私たちの心と体の健康に影響を与えます。

できるだけ気持ち良く毎日を過ごすために、睡眠の質はを上げることはとても大切です。

良い眠りを手に入れるためには、

◎ 寝る時間と起きる時間を決める。

毎日ある程度決まった時間に寝て起きるようにしていると、体は1日のリズムを覚えます。

そうすることで、夜は寝やすく朝は起きやすくなり、寝れずにイライラゴロゴロしてる時間が減り、起きる時のストレスも減ります。

◎ 運動する。

体を動かすことで、深部体温(内臓の働きを守るために一定に保たれている体内の温度)が上がり、それが通常の温度に下がってくると眠気がやってきます。

ジョンズ・ホプキンス大学の睡眠センターによると、定期的な運動を長く続けなくても、約30分、適度なレベルの有酸素運動を一度すれば、その日の睡眠にすでに効果が表れるそうです。

もちろん個人差があるので、絶対、とは言えませんが。

また、運動することは体力はもちろん、精神力も養ってくれます。

心配事や不安でこわばっている体をリラックスさせてくれます。

続けなくても効果はあると書きましたが、運動することで睡眠の質が良くなり、心身ともに元気にしてくれるなら、続けてみる価値はあるのではないでしょうか。

やってみたいと思ったら、あなたに負担がかからず続けられそうな運動を選ぶことをお勧めします。

◎ 寝る環境をつくる。

あなたの寝室はあなたが心地良く寝れる環境ですか?

寝る環境として適しているか確認してみてください。

・電気は明るすぎないか。明るすぎると体内時計がまだ昼間だと勘違いして体を起こしてしまいます。できるだけ暗くしてベッドに入ってください。

・室温はちょうど良いか。

専門家らによると、深部体温を維持する(=眠りやすい温度)ために、室温18.3度前後がいいらしいです。

・ジャマな音はなく静かな環境か。

・ベッドや掛布団、シーツ、枕などは心地良いのか。

毎日の睡眠の質に関わってくることなので、あなたが心地良いと思うものを使いましょう。

そしてできれば定期的に洗ったり、太陽に当てて干したりしましょう。

・スマホ・パソコンなどを直前まで操作していないか。

ブルーライトは眠気を起こすメラトニンというホルモンの分泌を抑制します。

メラトニンは人工の灯りでも抑制されますが、ブルーライトのその影響は特に強いのだそうです。

寝る前のスマホやパソコンいじりはできるだけやめておきましょう。

◎ ストレッチ。

寝る前に体の筋肉をほぐすことで、リラックスし、眠りに入りやすくなります。

寝転んだ状態で、手を組んで腕を頭の上に伸ばし、足をかかと方向に伸ばして、う~ん!と背伸びをするだけでも体と心がほぐれます。

◎ ノートに考え事を書きこむ。

悩み事や色々な考えがグルグル頭をまわっているときは、それらを書き出しましょう。

枕元にメモ帳やノートを置いておき、不安な思いや悩んでいることが頭に浮かんできて寝るのを妨げ始めたら、それに書き出してください。

書き終わったら、「明日考えよう。」と自分に言い、もう一度寝ようとしてください。

多少はスッキリしているはずです。

睡眠は私たちの心と体をつくります。

気持ち良く眠って気持ち良く毎日を過ごすために、あなたなりのできる事をやってみてください。

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